『カメラ・カメラ』(Camera Camera)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ルネッサンスが1981年に発表した10作目のスタジオ・アルバム。アニー・ハズラム加入後としては8作目に当たる。
背景
1980年にジョン・タウトとテレンス・サリヴァンが脱退し、残されたメンバーのうちアニー・ハズラムとマイケル・ダンフォードは、ピーター・ゴスリング(キーボード、ボーカル)と共に「ネヴァーダ」というバンドを結成して、「In the Bleak Midwinter」(1980年)、「You Know I Like It」(1981年)といったシングルを発表した[3]。また、ジョン・キャンプはロイ・ウッド率いる「ヘリコプターズ」に加入した[3]。しかし、最終的にはハズラム、ダンフォード、キャンプによりルネッサンスが再編され、ネヴァーダのメンバーでもあったゴスリングと、新ドラマーのピーター・バロンが迎えられた[3]。なお、本作収録曲「Faeries (Living at the Bottom of the Garden)」は、ネヴァーダにより録音されていた曲のリメイクである[4]。
音楽的には、以前の作品と異なりオーケストレーションは導入されず、当時の流行を反映した作風で[3]、ジャケット写真も含めてニュー・ウェイヴからの影響が指摘されている[1]。なお、作詞家のベティ・サッチャー(英語版)は、本作を最後に一旦ルネッサンスとの長年の関係を終了したが[3]、後にダンフォードがステファニー・アドリントン(ボーカル)を迎えてルネッサンス名義で発表したアルバム『もう一人の私』(1995年)で、再びダンフォードとの共作を行った[5]。
反響・評価
セールス的には大きな成功に至らず、アメリカでは1981年12月19日付のBillboard 200で最高196位を記録するにとどまった[2]。また、全英アルバムチャートでは、前2作に続くチャート入りを果たせなかった[6]。
Stewart Masonはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「意外と良いアルバム」「賢明なことに、ルネッサンスはスパンダー・バレエやデュラン・デュラン方面のニュー・ウェイヴ市場を狙うのではなく、ピーター・ガブリエルの3作目のソロ・アルバム、そして何よりケイト・ブッシュを思わせる、より芸術的なニュー・ウェイヴとアート・ロックの融合を試みている」と評している[1]。
収録曲
特記なき楽曲はベティ・サッチャーとマイケル・ダンフォードの共作。イギリス初回盤LP (ILP 008)は、「Bonjour Swansong」を除く8曲入りだった[7]。
- "Camera Camera" (Michael Dunford, Jon Camp) – 6:05
- "Faeries (Living at the Bottom of the Garden)" (M. Dunford, Peter Gosling) – 4:02
- "Remember" – 4:36
- "Bonjour Swansong" – 3:40
- "Tyrant-Tula" (M. Dunford, J. Camp) – 6:00
- "Okichi-San" – 6:00
- "Jigsaw" – 5:07
- "Running Away from You" (J. Camp) – 3:54
- "Ukraine Ways" (M. Dunford, J. Camp) – 6:26
参加ミュージシャン
脚注
外部リンク