カボ・デ・オルノス国立公園 (カボ・デ・オルノスこくりつこうえん、スペイン語 : Parque nacional Cabo de Hornos 、英語 : Cabo de Hornos National Park )またはホーン岬国立公園 は、チリ 最南部のウォラストン諸島 とエルミテ諸島 にまたがる国立公園 。世界最南の国立公園であり、世界最南の町プエルト・ウィリアムズ から船で12時間でたどり着く。公園名はホーン岬 (オルノス岬)にちなむ。
概要
1945年4月26日にチリ農業省によって指定された、総面積63,093ヘクタールの国立公園。ウォラストン・エルミテ両諸島と周辺の小島で構成されている。2005年にユネスコ の生物圏保護区 に指定された。標高は220メートル程度で、最高標高は Cerro Hyde の670メートル。
気候
南緯55度から56度に位置する公園の気候は冷涼である。区域内に測候所はないが、年平均気温5.2℃、年間降水量1,357 mmとなっている(1882年から83年にかけての観測)。年間278日も降雨を観測し(うち70日は降雪)、総雨量が2000 mmに達したこともある。曇りの日が多く、5月と7月には5.2 Okta(雲量 6-7)、12月と1月には6.4 Okta(雲量8)を観測した年もある。
また風が強く、1時間の平均風速は時速30 km(8.33 m/s、風力 5)、大雨を伴って時速100 km(27.78 m/s、風力10)以上の風が季節を問わずに吹くことがある。
生態系
Winter's bark(冬の樹皮)の花 - フランシス・ドレーク が当地でビタミンC 欠乏を癒やすためにこの木の樹皮を用いた。
Magellanic coigüe(マゼランのブナ)
マゼランペンギン
ハラジロイルカ(チリ固有種)
動植物ともに生態系に乏しく、多くの種が絶滅の危機に瀕している。
樹木のない地域が多く、泥炭 に覆われている。まばらに生えているイネ科 植物、地衣類 、蘚類 (これらは当地の低温や厳しい気象条件に耐える)に混じり結節植物(根菜 類)が分布する。一部地域ではブナ やニレ などの低木や、Winter's bark (英語版 ) (シキミモドキ科 の木)、Magellanic coigüe (英語版 ) (ナンキョクブナ科 の木)が見られる。
動物は、主に鳥類 や海洋哺乳類 が生息している。鳥類はマゼランペンギン 、オオフルマカモメ 、ミナミオオセグロカモメ 、シロアホウドリ などである。哺乳類はミナミウミカワウソ 、ヒョウアザラシ 、ハラジロイルカ 、コハリイルカ 、ミナミカマイルカ 、ザトウクジラ などである。
脚注
^ “チリの国立公園 ”. CONAF (英語版 ) . 2017年4月2日 閲覧。
^ “カボ・デ・オルノス国立公園 ”. CONAF. 2017年4月2日 閲覧。
^ “観光統計 ”. CONAF. p. 3 (31 January 2017). 2017年4月2日 閲覧。
関連項目