『カブキロックス』は、1994年3月4日に日本のアトラスから発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム。
江戸時代をモチーフにしたロールプレイングゲーム。舞台となるのは「連ダコ惑星」という連タコ状に連なる惑星であり、「イズモ」「アワ」「キョウ」「ヒノクニ」「エゾ」「ムツ」「オエド」の7国が一枚のタコの上に存在する。
ゲームシステム
スタンダードなロールプレイングゲームとなっている。マップ上を自由に移動し、ランダムエンカウントによって戦闘が発生し、町では武器や道具といったアイテムを購入できる。レベルは『○○両役者』と表現される。特徴的なものに、『歌武器』と『十八番』がある。
歌武器
このゲームの中核となる要素で、従来のロールプレイングゲームの「魔法」や「呪文」に当たる。歌舞伎のもじりである。
心に響く歌で、他人にダメージを与えたり、逆に傷を癒したり、といった事ができる。
また、物語が進むと、複数人で歌武器を扱うこともできるようになる(「デュエット」「コーラス」)。ボスキャラクターの中にも歌武器を使用する者がいる。
歌武器は実在する歌の名前をもじった物(一部例外あり)となっている。以下に例を記す。
- 攻撃系
- いい火たびだち(谷村新司「いい日旅立ち」)
- 冷凍・イット・ビー(ビートルズ「レット・イット・ビー」)
- てんとう虫のサンダー(チェリッシュ「てんとう虫のサンバ」)
- イエスだぜィ(ビートルズ「イエスタディ」)
- 治癒系
- 補助系
- ハイチューン武器(近藤真彦「ハイティーン・ブギ」)
- 愛のままにわがままに(B'z「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」)
- 夢の中へ(井上陽水「夢の中へ」)
十八 番
各キャラクターに固有の得意技として、「十八番」が設定されている。
ロックなら新しい歌武器を覚えられる「作曲」、マッキーなら味方全員の気力を振り絞らせる「奮い立たせる」、ベンケイなら敵中に飛び込み大暴れする「大立ち回り」など、それぞれ特徴的なものになっている。
ストーリー
将軍が変わってしまったことにより、天下泰平であった世にはモンスターが溢れ、更には「モンスター憐れみの令」というお触れまで出てしまう。
そんな世を直すために立ち上がる、主人公とその仲間たちの物語である。
登場キャラクター
プレイヤーキャラクター
- 花川戸 助六(ロック)
- 本作の主人公。名前の由来は助六。
- 三浦 揚巻(マッキー)
- 幼馴染。名前の由来は助六の愛人揚巻。
- 武蔵坊 弁慶(ベンケイ)
- 義理堅い巨漢。名前の由来は勧進帳に登場する歴史上の人物武蔵坊弁慶。
- じらいや
- こそ泥少年。名前の由来は児雷也豪傑譚の自来也。
- 法界坊
- 歌武器の師匠。名前の由来は隅田川続俤の登場人物法界坊。
- ジロキチ
- キョウの町の大泥棒。名前の由来は鼠小僧次郎吉。
- 藤娘(フジムスメ)
- キョウの女形。名前の由来は藤娘。
- 辰五郎
- ヒノクニの火消し。
- お七
- 辰五郎の恋人。名前の由来は八百屋お七。
- 景清
- 裏イタコの男。名前の由来は景清。
- 夕凪
- 強力なイタコ。
この一覧にある人物の多くはイベントで死亡し、そのことから本作は登場人物が死ぬことが多いゲームと評されている。しかし夕凪のイタコ能力により、死亡したキャラクターでも戦闘では生前の様に普通に使える。
ノンプレイヤーキャラクター
- 天斎
- 前将軍の後を継いで新しく将軍になった男。「民はもっと苦しむべき」との信念から様々な弾圧政策を行う。
- ゴエモン
- 天斎の懐刀として実務を担当する。知能が高いことが特筆される。
- 右ジンゴロー
- こうずけのすけ
スタッフ
- エグゼクティブ・プロデュース:横山秀幸(アトラス)
- プロデュース:小林正樹(RED)、岩田祐一(アトラス)
- エスタブリッシュメント、オリジナル・ライター:吉川兆二(RED)
- シナリオ、メッセージ:吉川兆二(RED)、茶谷G(RED)、滝本正至(RED)、かいたかし(アトラス)
- ゲーム・ディレクター:佐武義訓
- キャラクター・デザイン:水谷謙之介(RED)
- モンスター・デザイン:竹澤梅松(RED)、佐藤勝広(アトラス)
- マップ・プランニング:藤木真一
- シナリオ・プランニング:かいたかし
- プランニング・アシスタント:細野雄士
- メイン・プログラム:高木秀俊
- バトル・プログラム:照井利幸
- ビジュアル・プログラム:松本尚史
- キャラクター・ディレクター、マップ・デザイン:瀧野講司
- キャラクター・アニメグラフィックス、タウンマップ:本堂雅史
- バトル・エフェクト、ダンジョンマップ:高島志郎
- モンスター・グラフィックス:佐藤勝広
- 音楽:増子司、氏神一番
評価
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・6・7・6の合計27点(満40点)[2]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り22.2点(満30点)となっている[3]。
項目
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キャラクタ |
音楽 |
お買得度 |
操作性 |
熱中度 |
オリジナリティ
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総合
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得点
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4.1 |
3.8 |
3.3 |
3.6 |
3.5 |
3.9
|
22.2
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漫画版
- 歌炎烈伝 カブキロックス
- キャラクターデザインを担当した水谷謙之介の作画により講談社刊「コミックボンボン」1993年4月増刊号に読み切り掲載されたコミカライズ版。メインキャラクターと世界観を前面に出した一話完結のオリジナルストーリーが展開され、紙面には本作の他にゲーム版の紹介記事も掲載された。
関連項目
脚注
外部リンク