『オーロラの救世主』(オーロラのきゅうせいしゅ; A New World Record)は、1976年に発表されたエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のアルバム。ジェフ・リンのポップ路線が徐々に完成しつつあるELO過渡期の作品である。
『エルドラド』(1974年)や『フェイス・ザ・ミュージック』(1975年)等の作品を経て、ELOはその音楽性を確立しようとしていた。
アルバムタイトル「A New World Record」は、ミュンヘン・オリンピックのテレビ中継の「世界新記録」というテロップから取ったものである。
アルバムには「タイトロープ」「テレフォン・ライン」「ドゥ・ヤ」といったヒット曲が収録されている。このアルバムは、英国の売上で初めてトップ10入りし、米国と英国で200万枚以上を売り上げるマルチプラチナを獲得。発売から1年間に全世界で500万枚を売り上げた。次作『アウト・オブ・ザ・ブルー』(1977年)への大きな足がかりとなる作品である。
ELOを象徴することになるカラフルな円盤は、このアルバムのジャケットが初登場となる。
収録曲
A面
- タイトロープ - Tightrope
- 2001年のズームツアーで演奏されたほか、2016年から開始されたAlone In The Univerceツアーではオープニングナンバーに抜擢された。
- テレフォン・ライン - Telephone Line
- 1977年5月にシングルカット。全世界で大ヒットしたELOの代名詞的作品。重厚なオーケストラとコーラスを配した「ELO的POPバラード」の代表作との評価が高い。
- 哀愁のロッカリア - Rockaria!
- 1977年2月にシングルカット。各種ベスト盤にも収録。
- タイトルの通り、「ロック」と「アリア」を融合したようなアレンジ。歌詞はアリア歌手にロックンロールを教えるというもの。
- ミッション - Mission (A World Record)
- 遠くの星からやってきた生命体が、地球を視察するというSF的な歌詞。アルバムのタイトルソングであり、ジャケットの円盤もこの曲を意識したものであろう。
B面
- ソー・ファイン - So Fine
- 一見、典型的なELOポップだが、民族音楽風の間奏が挿入されているなど実験的な試みも見られる。次曲とは連結されている。
- オーロラの救世主 - Livin' Thing
- 1976年10月にシングルカット。イギリスで4位、アメリカで13位。ミック・カミンスキーのバイオリンがイントロに大きくフィーチャーされている。
- アバブ・ザ・クラウズ - Above The Clouds
- ELOの曲の中ではかなり短い部類に入る。
- ドゥ・ヤ - Do Ya
- ザ・ムーヴ時代の楽曲のセルフカヴァー。ELO風に味付け直されており、以降のコンサートではこちらのアレンジで演奏されている。
- シャングリ・ラ - Shangri-La
- ザ・ビートルズの楽曲「ヘイ・ジュード」が歌詞に登場する。
- リマスター盤のボーナス・トラック
- テレフォン・ライン[ディファレント・ヴォーカル] - Telephone Line (Different Vocal)
- サレンダー - Surrender
- 2006年に再発の際、シングルカットされた。
- タイト・ロープ[インストゥルメンタル・ラフ・ミックス] - Tight Rope (Instrumental Early Rough Mix)
- アバヴ・ザ・クラウド[インストゥルメンタル・ラフ・ミックス] - Above The Clouds (Instrumental Rough Mix)
- ソー・ファイン[インストゥルメンタル・ラフ・ミックス] - So Fine (Instrumental Early Rough Mix)
- テレフォン・ライン[インストゥルメンタル] - Telephone Line (Instrumental)
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