オモダル(淤母陀流、面足)・アヤカシコネ/アヤカシキネ(阿夜訶志古泥、綾惶根)は、日本神話に登場する神である。神武天皇は仍孫。
『古事記』では兄を淤母陀琉神、妹を阿夜訶志古泥神、『日本書紀』では兄を面足尊、妹を綾惶根尊(アヤカシキネ)と表記する。
『古事記』において神世七代の第六代の神とされ、兄淤母陀琉神が男神、妹阿夜訶志古泥神が女神である。オモダルは「完成した(=不足したところのない)」の意、アヤカシコネはそれを「あやにかしこし」と美称したもの。つまり、人体の完備を神格化した神である[1][2]。
また淤母陀琉神は「淤母」は「面」、「陀琉」は「足る」と解して、名義を「男子の顔つきが満ち足りていること」とし、文脈や阿夜訶志古泥神との対応、また今日に残る性器崇拝から男根の様相に対する讚美からの命名と考えられる。阿夜訶志古泥神は「阿夜」は感動詞、「訶志古」は「畏し」の語幹、「泥」は人につける親称と解し、名義は「まあ、畏れ多い女子よ」とし、淤母陀琉神と同様の理由で、女陰のあらたかな霊能に対して恐懼することの表象と考えられる[3]。中世には、神仏習合により、神世七代の六代目であることから、仏教における、欲界の六欲天の最高位である第六天魔王の垂迹であるとされ、特に修験道で信奉された。明治の神仏分離により、第六天魔王を祀る寺の多くは神社となり、「第六天神社」「胡録神社」「面足神社」などと改称した。
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