エルロス(Elros、太陽の時代525年 - 第二紀442年)は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』、『終わらざりし物語』の登場人物。エルロスという名前はシンダール語で、星の水沫(Star-foam)を意味する。
半エルフのうち唯一人間の運命を選択し、ヌーメノール王家の始祖となった。裂け谷の領主エルロンドの双子の兄弟。
第一紀の末にモルゴスが滅んだ後、ヴァラールが半エルフたちに不死のエルフの運命か死すべき人の運命かの選択をさせた。エルロスは人間の道を選び、エルロンドはエルフの道を選択した。モルゴスと戦ったエルロスと人間たち(エダイン)はヴァラールから大海の果てに住むべき土地を与えられ、エルロスは彼らを率いてヌーメノール王朝を創りその初代の王となった。即位後、彼はタル=ミンヤトゥア(Tar-Minyatur、クウェンヤで「最初の王」の意)と名乗った。これに倣って以降の王もクウェンヤの名を名乗った。彼は死すべき運命の人間となったものの、他の人間たちの何倍もの長い寿命が与えられていた。彼とともにヌーメノールを建国した者たちもまたそうである。ヌーメノールは第三紀に滅亡したが、エルロスの子孫は人間の王として中つ国に帰還し、アルノール、ゴンドールの両王朝を築いた。
なお、はるか後代にアラゴルン(エレスサール王)がエルロンドの娘であるアルウェンを后に迎えたことで、二つに分かれていた半エルフの家系は再び一つに合わさった。
系譜
エレンディルの王家