エルシド(El Cid)[1]とは、フランス生産のアングロアラブ系種の競走馬、種牡馬。フランスで競走生活を送り、引退後は日高軽種馬農業協同組合により輸入され日本で種牡馬として繋養されると、多数の活躍馬を送り出した。
概要
フランスで生産され、同国のアングロアラブ競馬で4歳までに19戦11勝、2着5回3着1回の戦績を収めた。重賞での勝ち鞍としてアングロアラブ・グランドナショナル、アラカド賞などがある。
引退後は日高軽種馬農業協同組合により日本に輸入されると、初年度産駒でアラブ王冠を制した快速馬ムツミマサルを、さらに2年目の産駒から南関東公営競馬でタイムラインのライバルとして活躍したスカレーを出した。翌年以降もホクトライデンやキンカイチフジなどを次々と送り出し、同時期に活躍した種牡馬であるセイユウやセンジユ、タガミホマレに比べると出走頭数は少なかったが、それでも1976年には中央・地方アングロアラブリーディング5位、AEI1.85という数字を残した[2]。
1985年、腎不全により24歳で死去。この年も種牡馬として20頭の繁殖牝馬に交配されており、その中からは紫桐杯、兵庫大賞典など重賞通算9勝を挙げたビソウエルシドが出た。
軽種馬農協繋養の種牡馬としてセリ市場上場義務が課せられていたため、テスコボーイとともに同市場の発展に大いに貢献したとされ、その功績を讃え、同農協にはエルシドの銅像が建てられたという。また、その父系はスカレーとイナリトウザイの子キタノトウザイが種牡馬として大成功を収めたのを始め大いに繁栄した。
主な産駒
主要父系図
- Teddy 1913 ---→テディ系
- |Asterus 1923
- ||Dadji 1933
- |||Kesbeth 1943 ↓以下アングロアラブ
- ||||Nithard 1948
- |||||エルシド El Cid 1962[25]
- ||||||スカレー 1969
- |||||||カザンウンリユウ 1974
- |||||||スイセイガバナー 1974
- ||||||||ローゼンガバナー 1980
- |||||||||ヘイセイガバナー 1988
- ||||||||ローレルスポット 1980
- |||||||||ボールドドール 1991
- ||||||||ドウカンガバナー 1981
- ||||||||マルセンガバナー 1988
- |||||||アイランドキング 1976
- |||||||キタノトウザイ 1976
- ||||||||アレツポダツシユ 1981
- ||||||||ホリマサル 1981
- |||||||||ランドアポロ 1990
- ||||||||ビクトリートウザイ 1982
- ||||||||ミスターヨシゼン 1984
- |||||||||ケイエスヨシゼン 1993
- |||||||||ワンダーマーキュリ 1995
- ||||||||ダイリンザン 1985
- ||||||||オオヒエイ 1986
- |||||||ダイニハクセキ 1977
- |||||||ミヤシロオー 1979
- ||||||||ミヤシロキング 1986
- |||||||タイガートウザイ 1980
- ||||||アーロン 1970
- ||||||ホクトライデン 1972
- |||||||ホクトイツセイ 1980
- |||||||バンガードライデン 1980
- ||||||エルエース 1973
- ||||||シズヒロオー 1973
- |||||||イソナンブ 1982
- |||||||ノムラダイオー 1982
- ||||||ニツソウエルシド 1973
- ||||||ガマエルシド 1979
- ||||||ケイワイホマレ 1979
- ||||||キンカイチフジ 1981
- ||||||イナリスター 1984
- ||||||ビソウエルシド 1985
- |||||||ニホンカイユーノス 1994
血統表
エルシドの血統「アア」表記はアングロアラブ種 「アラ」表記はアラブ種 「*」が付された馬名はシャギア・濠サラ |
(血統表の出典)[§ 1]
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父系 |
テディ系
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父 アア Nithard 1948
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父の父 アア Kesbeth 1943
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Dadji 1933
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Asterus 1923
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Perle d'Orient 1927
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アラ Kraina 1932
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父の母 アア Nitouche 1940
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アアLotus VIII 1923
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アラ Denouste 1921
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アア Lea 1921
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アア Nausicaa 1932
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母 アア Farida IV 1950
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Elseneur 1943
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Nino 1923
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Clarissimus 1913
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Azalee 1906
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Ann's Twin 1939
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Plassy 1932
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Slide Along 1929
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母の母 アア Lady Salmson 1937
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アラ Alaric V 1929
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Lady of Mercia 1931
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母系(F-No.)
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(FN:21-a)
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[§ 2]
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5代内の近親交配
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アウトブリード
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[§ 3]
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出典 |
- ^ [26]
- ^ [27]
- ^ [26][27]
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- 母Faridaは14勝。半兄弟のサルタモンテス、ゴアツエンも日本に種牡馬として輸入されている。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j “エルシド(FR)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ JBIS Serch、アングロアラブ年度別総合サイアーランキング(1976年) (2014年8月1日閲覧)。なお、同データベースには1973年以前のリーディング記録は残されていない。
- ^ “ムツミマサル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “スカレー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “アーロン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “エルフオード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ニツソウエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ホクトライデン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “リユーピラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “オトワヒメ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “グレートライヒ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ウインエイト”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “テルヒサ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “キタノエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “エールムソウ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ケイワイホマレ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ガマエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “マツノテンザン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “テングリピーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “キンカイチフジ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “エルバード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “グレイトタイヨー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ロータリーザハレー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ビソウエルシド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ JBIS Search, 父馬検索:エルシド(2014年11月18日閲覧)より作成。
- ^ a b “エルシド 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ a b “エルシドの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年6月6日閲覧。
出典
- 後藤正俊「アングロアラブ種牡馬名鑑:エルシド」地方競馬全国協会『Furlong』1995年6月号、23頁。
外部リンク