ウクライナ国立宇宙機関 (ウクライナこくりつうちゅうきかん、ウクライナ語 : Державне космічне агентство України, ДКАУ , DKAU、英語 : State Space Agency of Ukraine, SSAU )は、ウクライナ の宇宙機関 。1992年 3月に設立され、本部は首都キーウ に位置する[ 4] 。
以前(2010年12月9日まで)の名称は Національне космічне агентство України, НКАУ (National Space Agency of Ukraine, NSAU )であった[ 5] が、意味内容は現行名と実質的に同じであり、日本語での訳し分けは難しい。
概要
ウクライナは1991年 に独立し、翌年の1992年に国の宇宙開発 を総合調整する機能を有する国家宇宙機関を設立した。
ウクライナにはソビエト連邦 時代に積み重ねてきた技術があり、ソビエト連邦の宇宙開発 のうち約 30 % がウクライナにおける研究の成果として知られている[ 4] 。
ロシア連邦 およびカザフスタン との技術協力をはじめとして、18ヵ国と宇宙技術 協力協定を結び、国際的な商業宇宙市場の約 8 % を占有している[ 4] 。
ウクライナは独自のロケット と人工衛星 計画を有し、ロシア連邦宇宙局 や欧州宇宙機関 、アメリカ航空宇宙局 、さらには民間ベンチャーとの共同計画も行っている。国際協力の例として、シーローンチ 社やガリレオ測位システム が挙げられる。
ウクライナの人工衛星
シーチ-1Mのコイン
ウクライナは地球観測衛星 シーチ 、オケアン (ウクライナ語版 ) を製造し、その他ロシアと共同でいくつかの衛星を製造した。
1992年以降、自国での使用目的で合計 6 機の人工衛星を設計・製造し、打ち上げた。最新の衛星は2004年 に打ち上げられたシーチ-1M (ウクライナ語版 ) である。現在ウクライナ宇宙機関はシーチ-2 (ウクライナ語版 ) 、シーチ-2M (ウクライナ語版 ) 、シーチ-3-0 (ウクライナ語版 ) 、シーチ-3-P (ウクライナ語版 ) といった更なるシーチ衛星シリーズを研究している。
ウクライナの打上げ機
ゼニット-2
1991年から2007年 にかけて、ウクライナの打上げ機(launch vehicle )が合計 97 基打ち上げられた。2006年 度では、ウクライナは世界の宇宙への打ち上げのうち 12.1 % を占めていた。
ウクライナの企業であるヤンゲリ・ユージュノエ国家設計局 とマカロフ・ユージュニィ機械製造工場 (ユージュマシュ)は7種類の打上げ機を設計・製造している。
ウクライナ国内には射場 が存在せず、ロケットの打上げにはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地 、ロシアのプレセツク宇宙基地 、シーローンチ 社の海上打ち上げプラットフォームが使用される[ 4] 。
現在はブラジルと共同でアルカンタラ射場 からツィクロン-4 の打ち上げを目指している[ 6] 。日本のNano-JASMINE が最初に打ち上げられる契約で、打ち上げは2011年 8月以降を予定している[ 6] 。
なお、ユージノエおよびユージュマシュは、ESAが現在開発中のヴェガロケット 第4段の RD-869 エンジンの納入を行っている[ 4] 。
有人飛行
ウクライナ独立後初の宇宙飛行士、レオニド・カデニューク
ウクライナ独立以前は数人の宇宙飛行士がソビエト国籍で宇宙飛行を行った。ウクライナ国籍をもった初の宇宙飛行士はレオニド・カデニューク で、彼は1997年5月13日 に NASA の STS-87 ミッションにペイロード・スペシャリスト として搭乗した。このミッションには日本の土井隆雄 (NASDA )も参加していた。
再使用型無人宇宙往還機
スーラ (Cypa) と称する無人二段式宇宙輸送機 が計画された。低軌道へ投入後、有翼で大気圏外から帰還する。
ギャラリー
脚注
関連項目
外部リンク