インヴィンシブルスピリット (Invincible Spirit) は、アイルランド生産、イギリス調教の競走馬、種牡馬である。競走馬としては人気薄で勝った2002年のスプリントカップがG1競走での唯一の勝利だったが、種牡馬としては多くの活躍馬を輩出する人気種牡馬となった。
経歴
サウジアラビアのアブドゥラ国王の息子、ファイサル王子の所有馬として2歳(1999年)から5歳(2002年)まで走り、競走成績は17戦7勝。7勝すべてが距離6ハロンのスプリンターだった。26倍の人気薄で勝ったスプリントカップのほか、G3競走を2勝、リステッドレースを2勝している。
G1馬を母にもつ良血が見込まれ、引退後はアイルランドのアイリッシュ・ナショナルスタッドで種牡馬入りした。初供用となる2003年の種付け料は1万ユーロ。シャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けを行っている。2006年にデビューした初年度産駒は、2歳戦での勝ち上がり頭数が当時の世界レコードである35頭を記録し[1][注 1]、注目を集める。2年目産駒から仏ダービーなどG1競走2勝のLawmanを送り出すなど、仕上がりの早さと高い勝ち上がり率、コンスタントな一流馬の輩出を武器に、人気種牡馬の地位を確立していった。それにともない、種付け料も最盛期には10万ユーロにまで上昇した。2010年には2歳馬の勝ち上がり頭数が42頭を記録し、欧米の最多記録を樹立している[1][注 2]。2013年にはカルティエ賞最優秀古馬のMoonlight Cloud、2014年にはカルティエ賞年度代表馬および最優秀3歳牡馬のKingmanと、2年連続でチャンピオンホースを送り出した。
後継種牡馬も活躍しており、北半球ではLawmanが複数のG1勝ち馬を輩出。南半球では現役時重賞勝ちがG3を1勝のみのI Am InvincibleがG1勝ち馬を出し、オーストラリアの2013-2014年シーズンのリーディングファーストシーズンサイアーとなった。
2024年を持って種牡馬を引退した。
種牡馬成績
- 2006年英愛リーディングファーストシーズンサイアー
- 英愛リーディングサイアーランキング最高位2位(2014年)、10位以内6回(2008-2012年、2014年)
おもな産駒
※G1競走の勝ち馬のみアルファベット順で記載。
- 2004年産
- 2005年産
- 2007年産
- 2008年産
- 2010年産
- Rosdhu Queen - チェヴァリーパークステークス
- 2011年産
- 2012年産
- 2013年産
- 2015年産
- 2016年産
- 2017年産
血統表
脚注
注釈
- ^ のちにアメリカ繋養のChapel RoyalとWildcat Hairに記録を更新され、ヨーロッパ記録としてもIffraajに破られている[2]。
- ^ BloodHorse.comの記事[1]では世界記録とされているが、競馬評論家の合田直弘は2004年にサンデーサイレンスがマークした51頭が世界記録であると指摘している[3][4]。BloodHorse.comもまた、後日訂正記事を掲載している[5]。
出典
参考文献
外部リンク