イタリア語では、アクセント[2][3]は母音(a, e, i, o, u)に付く。表記上、母音は5文字だが発音上は「e」と「o」は2種の発音があるため、母音は7つ(IPA: /a/,/ε/, /e/, /i/, /ɔ/, /o/, /u/)になる。 原則的には、単語の後ろから数えて2番目の母音にアクセントが付くが、後ろから数えて3番目の母音にアクセントが付く単語も多い。単語の最後の母音にアクセントが付く場合のみ、アクセント符号を記述する。 グレイヴ・アクセント「`」は、「a, i, u」の上に付けられる他、「e /ɛ/」と「o /ɔ/」の上にも付けらる。アキュートアクセントは「e /e/」と「o /o/」の上に付けられる。サーカムフレックス[1]も、20世紀の前半まではイタリア語の表記に使用されていた。
外来語の文字
ラテン文字の基本26文字に含まれ、イタリア語アルファベットに含まれない5文字、即ち、 J (i lunga), K (cappa), W (vi doppia), X (ics), Y (ipsilon)は、イタリア語起源の名前や言葉にはめったに使用されない。使用されるのは、ギリシャ語起源の言葉や、それらから派生した単語に由来する。また、イタリア語以外の言語からの借用や、科学的な用語では用いられる[4]。
J (i lunga[5])の文字は、ラテン語における子音としての「I」(その発音では母音iが続く)のように発音され、例えば、Jesi, Jesolo, Juventus, junior, Jacopo等がある。19世紀にイタリア語に導入されたが、その後、廃止されたため、姓(例えば、Jannacci)や地名(例えば、Jesolo)、その他いくつかの例外(例えば、juventino)を除いて削除された。また、2つの母音に挟まれている場合には、発音の視点から同等のスペルである「I」の方が好まれる(例えば、giojaの代わりにgioia)。一方で多くの、特に古い辞書ではJを文字として考慮せず、単純に「i」の異体字として扱っている[6]。
K (cappa)の文字は、ハードな「C」として発音される(例えば、Kenia, kerosene, kripton)。
W (vi doppia) の文字は、「V」の文字と同じように発音される(例えば、Walter, Wanda, Wolframio, water 等では)[7][8]。
X (ics) の文字は、2つの文字(CS)タフな「C」に続けて「S」のように発音される(例えば、接頭辞のように付く、xilofono, uxoricidio, xenofobia)。他に、Craxi や Bixio 等の姓、Arbatax, Simaxis,civraxiu 等のサルデーニャの地名に見られる。
Y (ipsilon) の文字は、「I」の文字のように発音される(例えば、yogurt, yo-yo, yoga等では)。
^Giacomo Devoto e Giancarlo Oli, Nuovo Vocabolario Illustrato della Lingua Italiana, Milano, Le Monnier, 1987.
^Bruno Migliorini, Carlo Tagliavini, Piero Fiorelli, Dizionario italiano multimediale e multilingue d'ortografia e di pronunzia, RAI ERI, 2010, ISBN 978883971478-7
^Cfr. una scheda dell'Accademia della Crusca: «il normale parlante italiano è intimamente convinto che la w rappresenti (anzi “sia”) una consonante, come in Walter».