ロビダは、自らの挿絵を豊富に含んだSF的な作品群により、小説家としても著名である。最初の成功作"Voyages très extraordinaires de Saturnin Farandoul" (1879) (サトゥルナン・ファランドゥールの全く以って驚異的な旅行)は、ヴェルヌのパロディ作品で、後に映画化もされた[1]。"Le Vingtième Siècle" (1883)『20世紀』、"La Guerre au vingtième siècle" (1887)(20世紀の戦争)、"Le Vingtième Siècle. La vie électrique" (1890) (20世紀、電気の生活)という未来予測小説の三部作も有名である。これらは彼を「もう一人のジュール・ヴェルヌ」と呼ばしめたが、彼の作品はしばしばヴェルヌよりも奇抜であった。ヴェルヌとは違い、ロビダは新発明をあくまで未来の日常生活の一環として描き、マッド・サイエンティスト絡みの冒険譚を書くことはなかった。彼はまた科学技術の進歩だけでなく、それによる社会の進歩についても(なかなか正確に)予見している。例えば女性の社会的権利拡張(ズボンの着用、喫煙、女性医師・弁護士の出現)、大衆の観光旅行、環境汚染などが描かれた。また1869年のバンド・デシネ"La Guerre au vingtième siècle, campagne de Jujubie"(20世紀の戦争、ジュジュビー作戦)では、近代戦を予測し、早くも自律式誘導ミサイルや毒ガスを描いた。彼はテレビないしテレビ電話のような発明「テレフォノスコープ(英語版)」も作中に登場させている。壁に掛かったディスプレイでいつでも最新のニュースや劇、また裁判や会議が見られる様子が作中で描写された。
彼の著作は単に予見において優れているだけでなく、"L'Horloge des siècles"(諸世紀の時計)はパラダイムの変更を迫るものでありフィリップ・K・ディックの長編小説『逆まわりの世界』のような作品の先触れである、との評もある。フランスのSF評論家ジャック・サドゥール(Jacques Sadoul)は、時間逆転現象と社会変革を扱った本作をロビダの代表作だと評価している[2]。
ロビダの作品は、日本には明治時代に紹介されている(最初の紹介は"Le Vingtième Siècle"の翻訳『第二十世紀未来誌』で、本国での出版直後の1883年(明治16年)に刊行。数年内に数種の異訳も出た)。その後は大正、昭和と長らく翻訳が途絶えたが、2007年(平成19年)に『絵で見るパリモードの歴史』("Mesdames nos aieules")および"Le Vingtième Siècle"の新訳『20世紀』が相次いで刊行された。