『やさしく歌って』(原題:Killing Me Softly)は、アメリカ合衆国のR&B歌手ロバータ・フラックが1973年に発表した、ソロ名義では4作目のスタジオ・アルバム。
背景
1曲目の「やさしく歌って」はニューヨークのアトランティック・レコーディング・スタジオで録音され、その他の曲はリージェント・サウンド・スタジオで録音された[7]。全曲ともフラック自身が全体のアレンジを行い、その上で個々の曲にストリングスやホーン等のアレンジャーが起用された。
本作のクレジットには「ラサーン・ローランド・カークに捧げる」と記載されている。
反響
アメリカではBillboard 200で3位、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートで2位に達し[2]、1973年8月にはRIAAによってゴールドディスクの認定を受け、2006年1月にはダブル・プラチナに認定された[8]。本作はグラミー賞の最優秀アルバム賞にノミネートされたが、受賞は果たせなかった[9]。
本作に先行してシングルとして発表された「やさしく歌って」はBillboard Hot 100で1位を獲得し、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートでは2位を記録して、グラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞の3部門を受賞した[2]。また、本作からシングル・カットされたジャニス・イアンのカヴァー「我が心のジェシ」はBillboard Hot 100で30位、R&Bシングル・チャートで19位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで3位を記録している[2]。
ノルウェーでは自身2度目のアルバム・チャート入りを果たし、3週連続で6位に達した[3]。日本のオリコンLPチャートでは最高16位に達し、38週にわたってチャート圏内に登場するロング・セラーとなった[5]。
収録曲
- Side 1
- やさしく歌って "Killing Me Softly with His Song" (Charles Fox, Norman Gimbel) – 4:50
- 我が心のジェシ "Jesse" (Janis Ian) – 4:03
- ノー・ティアーズ "No Tears (In the End)" (Ralph MacDonald, William Salter) – 4:56
- 少女 "I'm the Girl" (James Shelton) – 4:55
- Side 2
- リヴァー "River" (Gene McDaniels) – 5:03
- 愛の語らい "Conversation Love" (Terry Plumeri, Bill Seighman) – 3:43
- 君ほほえむ時 "When You Smile" (R. MacDonald, W. Salter) – 3:44
- スザンヌ "Suzanne" (Leonard Cohen) – 9:44
脚注