黒瀬 陽平(くろせ ようへい、1983年5月10日[1] - )は、日本の美術家[2]、美術批評家、アニメ評論家、美術予備校・新宿美術学院教師[4]。『REVIEW HOUSE』編集委員。
略歴
高知県生まれ。2006年、京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科卒業。2008年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了[5]。
荻上チキとのインタビューによると、高知県の県展で高校1年生にて最年少入選し、3年生にて洋画、デザイン、立体の3部門を「制覇」した、という(それぞれの部門で入選しただけで、受賞などはしていない)[6]。
2008年3月に『レビューハウス』創刊号に寄稿。4月に『思想地図』vol.1の公募論文が東浩紀の目に留まり美術批評家デビュー[7]。
2010年4月に「カオス*ラウンジ宣言」を行った[2]。宣言では、現代アートのあり方について「アートに神秘性などない。人間の知性も感性も内面も、すべては工学的に記述可能である。」などと批評した[8]。2009年3月初出展の「カオス*ラウンジ」の代表は、当初、藤城嘘が務めていたが[9]、現在では、黒瀬が務めている[10]。
2010年、『文學界』にて新人小説月評を担当。同年、「芸大不合格者展」構想を提案。東京藝術大学の試験で落ちた受験生のデッサンや絵画を展示し、そのクオリティがいかに高いかを主張するものであり、東浩紀や村上隆らと、現代アートにおけるクリエイターの育成に芸大美大がどう関わり、どんな問題を抱えているか論争した。
アシスタントスタッフへのパワーハラスメント行為が発覚したことから、2020年7月24日付けにて代表社員を務めていた合同会社カオスラを退社[11]。Twitter上で謝罪した[12]。
活動
- NO BORDER展(高知県立美術館、2002年)
- 個展(立体ギャラリー射手座、2004年)
- 京都アートアニュアル2004(京都造形芸術大学、2004年)
- カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷(東京、2010年)
- カオス*ラウンジ新芸術祭2017 百五○年の孤独展(福島県いわき市、2017年)
- 現代美術ヤミ市 限りなくゴミに近いマテリアルの市(東京、BUCKLE KOBO、2018年)
- TOKYO 2021 慰霊のエンジニアリング展(東京、戸田ビル、2019年)
- お分かりでしょうけれど、私は画家であることをやめてはいません。(東京、2023年)
著書
- 『情報社会の情念―クリエイティブの条件を問う』NHKブックス 2013
論文
- 「『らき☆すた』──空転するメタ意識」(『REVIEW HOUSE』01、2008.03)
- 「キャラクターが、見ている。──アニメ表現論序説」(『思想地図』vol.1、2008.04)
- 「新しい「風景」の誕生──セカイ系物語と情念定型」(『思想地図』vol.4、2009.11)
脚注
外部リンク