高千穂大学(たかちほだいがく、英語: Takachiho University)は、東京都杉並区大宮2-19-1に本部を置く日本の私立大学。1903年創立、1950年大学設置。大学の略称は高千穂大。
沿革
高千穂大学は、私学として日本で初めての高等商業学校を前身としている。
校章・シンボルマーク・校歌
校章・シンボルマーク
校章には稲、鏡、鵄(とび)が刻まれている。稲は「知性(知)」、鏡は「徳(真心)」、鵄は「体(勇気)」を意味し、これら知・徳・体を4年間の大学生活において体現することを意味している。
シンボルマークの3つのパーツは、知・徳・体それぞれを表現している。
校歌
教育及び研究
学部
- 商学部
- 経営学部
- 経営学科
- 企業経営コース
- 経営法務コース
- 起業・事業承継コース
- 情報コース
- 人間科学部
- 人間科学科
- 人間科学専攻
- 社会・ライフデザインコース
- 心理・コミュニケーションコース
- 児童教育専攻
大学院
附属機関
- 図書館
- 旧制高千穂高等商業学校の伝統を受け継ぎ、図書館には経済学・商学関連の稀覯書[4]や社史など多くの書籍を所蔵している。
- 杉並区図書館ネットワーク[5]
研究所
施設
キャンパス
- 善福寺川、杉並大宮八幡宮 に隣接。自然と文化の調和のとれた閑静な住宅街に立地した、緑の多いキャンパスである。
- 大正2年築の高千穂学園武道場は区内最古の木造学校建築として、杉並区に 杉並区指定文化財 として指定されている。
- 東郷平八郎書の「高千穂」碑(昭和8年10月高千穂神社右入り口に建立)が西門付近にある。
- 9号館前に「ニュートンのリンゴの木」の子孫が植えてある。
- セントラルスクエア横に「勧学の碑」が建てられている。碑文は、創立の恩顧者青淵渋沢栄一書「唐韓退之勧学詩」である。この石碑は、前身高千穂高等商業学校設置のころ、創立者川田鐵彌により建てられた。
学外施設
- 白根セミナーハウス
- 所在地:群馬県吾妻郡草津町前口3-107
- 吾妻線 万座・鹿沢口駅下車、送迎バスあり。 施設宿泊やゼミ合宿で利用することができる。
- 登戸総合グラウンド
- 所在地:神奈川県川崎市多摩区登戸新町1-1
- JR南武線、小田急線登戸駅下車、徒歩7分。 授業やサークル/部活で利用することができる。
対外関係
大学間交流
スタディ・アブロード
- アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、他ヨーロッパ圏の多くの中から留学先や留学時期を自由に選択できる。
系列校と歴史
高千穂の由来
創設者の川田鐵彌が高千穂小学校と名付けたことに始まり、一貫して学校名に高千穂を冠している。日本の建国神話に由来する日本人の心のふるさと、天孫降臨に象徴される日本民族の精神的な発祥の聖地、すなわち日本人の精神的原点を指している。
旧制時代
明治から大正期に、高級住宅街として知られた豊多摩郡大久保町(現在は新宿区新宿七丁目)で開校。明治36年 小学校の設立から12年で幼稚園・小学校・中学校・高等商業学校を擁する一貫教育を実現した。創設者の川田鐵彌の教育理念により、創設時より少人数教育で家族的な一貫教育を目指し、新宿、大久保、四谷界隈の資産家や実業家の子弟が学ぶ名門校であった。教授陣は充実し、当時の評議員や式典来賓には、渋沢栄一、男爵団琢磨、公爵山縣有朋など実業界の第一人者、政府高官、貴族の名が連なっており、旧制高千穂高等商業学校は官立の東京高等商業学校や有名私塾と肩を並べると評されていた[要出典]。
新制以降
昭和20年5月までに空襲で大久保の校舎が全焼(現在、東新宿駅付近の東大久保児童遊園内に「高千穂学校発祥の地」碑がある。)し、高千穂経済専門学校(1944年改称)のある杉並区大宮に全てが移転した。戦後の学制改革で幼稚園・小学校・中学校・高等学校へ改組、経専は新制大学へ改組、再び一貫教育の体制が整い、昭和20年代の中学校・高等学校は、商大の他、有名校に多くの進学者を輩出していた。
しかし戦後の再建期の中で1953年、創立者の川田鐵彌が倒れ、鐵彌の親族同士の衝突、こと中学校・高等学校校長だった長男・正清と理事長・大学学長だった三男・正斉との対立が激化。これに加えて校内の風紀が著しく悪化し新入生や在校生も減少の一途をたどり、小学校・中学校・高等学校が休校に追い込まれるまでに至った。昭和28年1953年の川田鐵彌の発病とつづいての死去から、昭和38年1963年の学校再建への着手までの期間は高千穂学校の混乱期であった。
その後、商大卒業生有志が中心となって学校経営体制の刷新に立ち上がり、昭和40年代[9]は、校舎・グラウンドをはじめとした設備面の拡充・教職員の向上・経営体制の整備を着々と推し進め、商大を中心とした学園再建の動きに向かった。幾多の困難の末に混乱は収束し、社会問題であった学生運動、学園紛争の盛んな時期でも、商大では目立った事件・事故はなかった。
- 創立70周年式典(昭和48年1973年) ・講演者 鈴木健二 ・記念品 総合体育館建立
現在
現在では文系3学部、大学院、付属研究機関を擁する。実学教育、国内外協定校との連携、創設以来の方針である少人数制を活かした教育を目指している[10]。高千穂幼稚園 は都内で100年以上の歴史をもつ3つの幼稚園の一つとして知られており、幼稚園歌の作詞は谷川俊太郎、作曲は服部公一である。
高千穂大学は、日本で私立の最初の高等商業学校を前身としている。
学生生活
ゼミナール活動
学内のゼミ発表会は毎年11月に1週間かけて行われる学校をあげての一大イベントである。例年100前後のパートが参加し、聴講者も1万2千人を超える大規模な発表会となっている。
学外のゼミ発表会では日本学生経済ゼミナール(学術団体)大会(日本でも最大規模の学術大会)の加盟校であり、毎年研究成果を発表している[11]。
サークル活動
体育会は硬式野球部やアメリカンフットボール部など14団体、学術文化団体連合会は簿記会計研究会や軽音楽研究会など8団体がそれぞれ所属している。学術文化団体連合会は、年に一度六月祭という、日ごろの活動の成果を発表する場がある。
学園祭
高千穂大学の学園祭は「高千穂祭」と呼ばれ、毎年通例10月に3日間にわたり実施される。アーティストによるコンサート、ミス・ミスターコンテスト、ゼミやクラブが模擬店を出店するなど、たくさんのイベントが開催される。
歴代出演者
産学連携
- 2006年(平成18年)7月 一般社団法人新日本スーパーマーケット協会(旧:社団法人日本セルフ・サービス協会)と産学の協力による共同研究を促進する目的で相互協力提携書を締結する。
- 2016年(平成28年)10月 一般社団法人新日本スーパーマーケット協会(旧:社団法人日本セルフ・サービス協会)寄付講座開講10周年記念祝賀会を開催。
- 2017年(平成29年)7月 西武信用金庫[13] と地域の活性化と産業の振興を図るため相互に協力し地域社会の発展に寄与することを目的に、包括的連携・協力協定を締結する。
大学関係者と組織
- 高千穂学園同窓会
- 会員相互の親睦を図ること、母校の発展を支援することを目的としており、全国に30地区の支部がある。
- 高千穂大学父母の会
- 平成12年に発足。大学と家庭との連絡を密にし、相互理解・協力により大学の充実と発展を図ることを目的としている。
参考文献
- 高千穂学園八十年編集委員会編『高千穂学園八十年史』(学校法人高千穂学園、1983年)
- 特集高千穂学園創立110周年(学校法人高千穂学園、2013年)
関連項目
外部リンク
脚注