宗教法人霊友会(しゅうきょうほうじんれいゆうかい)は、法華系の新宗教である。信者数は公称2,527,457人[2]。『宗教年鑑 令和6年版』における国内信者数は、1,053,203人とされている[3]。キャッチフレーズは「いんなあ・とりっぷの霊友会」。
歴史
- 井上順孝は、終戦直後の社会的混乱の中で、脱税を目的とする便乗教団が生まれたことを指摘している[10]。
赤い羽根募金業務上横領事件
1953年、小谷喜美が共同募金へ寄せられた信者からの義援金110万円の横領、闇ドル入手、贈賄などの容疑で検挙された。この事件では、次の3件が裁判になった。
- 赤い羽根募金業務上横領事件―霊友会付属国友婦人会は、小谷を会長、Tを書記として募金の集計・保管などに従事していた。Tは1957年から28年の募金実額を不正に削減し、一部を業務上横領したもの。
- 贈収賄事件―宗教法人認証の便宜を図るため、文部省宗務課長・篠原義雄に10万円を贈与したもの。
- 外国為替および外国貿易管理法違反事件
1957年3月5日、東京地方裁判所で第1審の判決が下された。小谷は1で無罪、2・3で懲役1年罰金200万円執行猶予2年の有罪。Tは1で懲役8月執行猶予2年の有罪。篠原義雄は収賄で懲役8月執行猶予2年の有罪。その後、被告弁護側・検察側双方ともに判決を不服として控訴。1959年3月3日、東京高等裁判所は、すべての控訴を棄却する判決を出した[16]。
教義
先祖供養を重視し、両親、夫婦両人に繋がるすべての先祖を『霊鑑』と呼ばれる過去帳に記載し、「○生院」なる院号、妙・法・徳からなる法名を付与し[注 2]、供養する点に特筆性がある[17]。これらの先祖供養は『法華経』を宗教的根拠に据えて行われる[17]。霊友会では、自分に繋がる父系・母系双系のすべての先祖を象徴した「総戒名」を前にして、日々、「青経巻」と呼ばれる、法華三部経からの抜粋を中心に編纂された経巻を読誦する。これを霊友会では「先祖供養」と呼んでいる[18]。
分裂・分派発生
霊友会からは多くの教団が分派した。主なものに妙智会教団、佛所護念会教団、立正佼成会などがある[17]。
1935年には、理事だった岡野正道がぬけて、孝道教団をつくり、1936年には高橋覚太郎の霊照会が、1938年には井戸清行の思親会が独立する。[19]
政治運動
これまで参議院の全国区・比例区選挙において内田芳郎、細川護熙、佐藤信二、町村金五、片山正英、扇千景、安西愛子、川上源太郎、源田実、田中正巳、久世公堯、石井道子、清水嘉与子、小野清子、太田房江といった候補を支援してきた[20][21][22][23][24][25]。衆議院では民社党から自由民主党に転じた塚本三郎などを支援してきた。
過去に実施された日本会議のイベントの受付では、霊友会を含む各種宗教団体別の受付窓口が設けられ、参加者を組織動員したこともあることが指摘されている[26]。
社会との関わり
かつて、フランスで十分な確認がされないまま「セクト」に一時指定されたが、フランス政府関係者が来日した際に教えや活動内容を説明した結果、指定は解除された[27]。
旅行等と偽り静岡県伊豆の山中の隔離された研修施設で宗教合宿に参加させる事例が多数あるとの指摘がある[28][29]。
脚注
注釈
出典
関連項目
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外部リンク