観音寺(かんのんじ)は、東京都台東区にある真言宗豊山派の寺院。
歴史
1611年(慶長16年)、尊雄によって開山された。元々は神田に位置していたが、1648年(慶安元年)に谷中へ、1680年(延宝8年)に現在地に移転した[1][2]。
当初の名称は「長福寺」であった。ところが1716年(享保元年)、紀州藩の藩主だった徳川吉宗が第8代将軍の位に就き、長男の長福丸(後の第9代将軍徳川家重)が将軍世子となった。将軍世子と同名になってしまったため、幕府に憚って「観音寺」に改称した(避諱)[2]。
1772年(明和9年)の明和の大火では、伽藍を悉く焼失してしまった。その後、再建されたが、1923年(大正12年)の関東大震災では、かなりの損傷を受けた。そのため当時の住職が再建を発願し、1943年(昭和18年)に再建された。これまでの本尊は如意輪観音と不空羂索観音であったが、このときに大日如来と阿弥陀如来に差し替えられた[2]。
築地塀
当寺は築地塀の寺としても知られている。当寺南面37.6メートルの塀である。練り塀の工法で造られたもので、文政年間(1818年 - 1831年)に築造された。平成時代には1992年(平成4年)に「台東区まちかど賞」を受賞して、2000年(平成12年)に国の登録有形文化財に登録されている[3][4]。
文化財
- 観音寺築地塀(登録有形文化財(建造物) 平成12年登録)[4]
交通アクセス
脚注
参考文献
- 東京市下谷区 編『下谷区史』東京市下谷区、1935年
関連項目
外部リンク