西野真弘

西野 真弘
オリックス・バファローズ #5
2016年5月17日 こまちスタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 東京都江戸川区
生年月日 (1990-08-02) 1990年8月2日(34歳)
身長
体重
167 cm
71 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 二塁手三塁手
プロ入り 2014年 ドラフト7位
初出場 2015年4月2日
年俸 5000万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

西野 真弘(にしの まさひろ、1990年8月2日 - )は、東京都江戸川区出身[2]プロ野球選手内野手)。右投左打。オリックス・バファローズ所属。

経歴

プロ入り前

南葛西小学校時代に「葛西キラーズ」で野球を始め、南葛西中学校では「浦安リトルシニア」に所属し[3][4]東海大学付属浦安高校では甲子園出場経験は無し。 国際武道大学4年生の時、千葉県大学野球リーグで春・秋の2季連続で二塁手のベストナインを獲得した[5][6]明治神宮野球大会では初戦で富士大多和田真三郎にノーヒットノーランで敗れた[7]

JR東日本時代
(2014年6月3日)

JR東日本時代は1年目に第84回都市対抗野球大会でベスト8に進出[8]、社会人野球ベストナインを獲得した(二塁手)[9]。2年目には韓国で行われた第17回アジア競技大会野球日本代表に選ばれ、4試合に出場、計8打数1安打だった。唯一の安打はモンゴル戦で放った本塁打である[10]。社会人時代は田中広輔と二遊間を組んでいた[11]

2014年10月23日に行われたドラフト会議では、オリックス・バファローズから7位指名を受け[12]、契約金2500万円、年俸1000万円(金額は推定)[13]で契約し入団した。背番号は39[14]

ドラフト後に行われた第40回社会人野球日本選手権大会では二塁手として3試合に先発出場、計12打数3安打1四死球だった[15]

オリックス時代

2015年は開幕を一軍で迎えた[16]。4月2日の対福岡ソフトバンクホークス戦の5回表に代打でプロ初出場し、初打席は一塁手への飛球で凡退した[17]。4月12日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦では8番・三塁手で初先発出場し、7回表の第3打席で初安打となる右前安打を放つと[18][19]、4月22日の対千葉ロッテマリーンズ戦では7回表に二死満塁の場面で2点適時打を放って初打点を挙げ[20][21]、4月29日の楽天戦では4回裏にプロ初本塁打を放った[22][23]。5月2日の対ソフトバンク戦では2回裏に初盗塁(二盗)を記録[24]。33試合に出場した時点では、規定打席には達していなかったものの、94打数34安打の打率.362、3本塁打、18打点、5盗塁、得点圏打率.480の好成績を収めていた(同時期のリーグ首位打者が柳田悠岐で打率は.356、規定打席まであと5打席の清田育宏の打率は.355だった)[11]。7月2日の対北海道日本ハムファイターズ戦の8回の第4打席で空振りをした際に右手首を痛め、翌3日に有鈎骨の骨折で全治2か月と診断され[25][26]、7月4日に出場選手登録を抹消され[27]、その後復帰することなくシーズンを終えた[28]。12月1日、大阪市大正警察署で一日警察署長を務めた[29]

2016年、チームでは糸井嘉男と共に全試合に出場、1試合以外は全て二塁手として出場した[30][31]。三塁打数7は茂木栄五郎と共にリーグ最多を記録する一方、二塁手部門でリーグ最多の17失策を記録した[32][33]。12月12日に背番号が5に変更されたことが発表された[34]

2017年、開幕戦は2番二塁手で先発出場したが、夏場には二軍降格を経験するなど不調に終わった。6月19日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)では代打から出場しプロ入り後初めて遊撃手として出場した。

2018年、三塁手としての出場を重ねていたが、8月11日の試合の守備練習中に打球が額に直撃し、病院で検査を受け、前頭骨骨折、脳震盪と診断され、出場登録を抹消された[35]

2019年は、ケガや不振などもあり自己最少の56試合の出場にとどまった。

2020年は開幕一軍を逃した。二軍で3割超の打率を残していたが昇格は遅れ、中嶋聡が監督代行に就任してから約1週間後の8月28日に一軍昇格となった。9月8日の対埼玉西武ライオンズ戦では9回無死で代打出場し中前安打を放った。この安打は相手先発投手である高橋光成ノーヒットノーラン投球を阻止する一打となった[36]。しかしシーズンを通した好調は維持できず、23試合出場、打率.243の成績に終わった。

2021年は開幕から調子が上がらず、全部門で自己最少となる、18試合出場、打率.146、1打点に終わり、シーズン通しての安打数も自身初の一桁となる6安打にとどまった。

2022年も開幕から二軍暮らしが続いていたが、4月8日のロッテ戦で代打起用され安打を放つと、4月15日の西武戦では2番三塁手でスタメン出場し、マルチヒットを放つなど、新型コロナウイルスの影響で離脱者が多かった4月上旬は起用に応える活躍を見せた。しかし、5月に入ると打撃成績が急降下し、5月28日の中日ドラゴンズ戦を最後に一軍登録を抹消された。再昇格は8月6日の楽天戦まで待つこととなったが、2番DHで起用されたこの試合で2安打2打点の活躍を見せると、以降はユーティリティーとして一軍に定着。優勝争いの直接対決となった9月19日のソフトバンク戦では猛打賞を記録するなど、チームの大逆転優勝に貢献した。さらに、東京ヤクルトスワローズとの日本シリーズでも第3戦で完封負けを阻止する適時打、第5戦で投手強襲の同点適時打、第6戦で9回に追加点となる犠飛を放つ活躍を見せ、シリーズ通算でも11打数5安打とチームの26年ぶりの日本一に大きく貢献した。

2023年はオープン戦で22打数11安打で打率.500と結果を残し、「3番・二塁手」で開幕スタメンを勝ち取った。9月20日のロッテ戦ではダメ押しとなる適時打を放ち、チーム本拠地胴上げの立役者の1人となった。しかしシーズンを通して終始不安定な調子で、5度の一軍登録・抹消を経験するなど、前年と同じ43試合に出場したものの、打率1割台に終わった。それでも、阪神タイガースとの日本シリーズでは第2戦で決勝点となる先制の適時三塁打を放つ[37]など、要所要所での活躍が目立った。

2024年もオープン戦で結果を残し、「2番・二塁手」で開幕スタメンを勝ち取った[38]

選手としての特徴

打撃

シュアな打撃に定評のある巧打者[39][40]。優れたバットコントロールと選球眼[41]、粘り強さ[42]と勝負強さ[43]、それに加えパンチ力も魅力[44]

オリックスで同僚であった坂口智隆は西野の最大の長所を「チームの状況を見れる選手」と評し、「粘れる時は粘れるし、仕掛けなきゃいけない時はどんどん積極的に行けるので、本当に打撃能力が高い選手」「ずっと出れば3割打てる」と絶賛している[45]

守備・走塁

50メートル走で6秒1を記録した俊足、内野複数ポジションをこなせる器用さが持ち味[46]

人物

愛称は「マーサン[47]

身長167cmはチーム最低身長(入団当時)[3]

自身と同じように小柄な内野手で元チームメイトの平野恵一をプロ入り時から尊敬しており、平野からは引退セレモニー時に使用したバットと、平野の名前入りのリュックサックをプレゼントされている[48][49]。なお、2016年のオフに変更した背番号5は、平野がオリックス時代につけていた背番号である[49]。また、応援団が演奏する応援歌も平野の曲が継承された[50]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2015 オリックス 57 213 191 31 58 6 2 3 77 22 9 2 2 0 18 0 2 25 0 .304 .370 .403 .773
2016 143 610 538 63 142 16 7 2 178 33 16 5 13 1 56 0 2 55 7 .264 .335 .331 .666
2017 100 331 282 33 66 11 2 2 87 21 8 4 16 3 24 0 6 46 4 .234 .305 .309 .613
2018 60 207 188 21 55 8 4 0 71 16 7 3 6 1 12 1 0 28 5 .293 .333 .378 .711
2019 56 188 166 21 40 5 1 1 50 14 1 0 3 1 16 0 2 24 1 .241 .314 .301 .615
2020 23 77 69 10 17 3 0 0 20 3 0 0 3 0 5 0 0 10 1 .246 .297 .290 .587
2021 18 42 41 3 6 0 0 0 6 1 0 0 0 0 1 0 0 6 0 .146 .167 .146 .313
2022 43 130 114 10 33 5 1 0 40 8 0 0 6 1 8 0 1 13 4 .289 .339 .351 .690
2023 43 138 122 5 24 6 0 0 30 8 0 0 5 0 11 0 0 9 4 .197 .263 .246 .509
通算:9年 543 1936 1711 197 441 60 17 8 559 126 41 14 54 7 151 1 13 216 26 .258 .321 .327 .648
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



一塁 二塁 三塁 遊撃
















































2015 オリックス - 46 88 110 1 16 .995 7 7 11 0 1 1.000 -
2016 - 142 344 448 17 80 .979 - -
2017 - 80 169 194 6 42 .984 8 2 5 0 0 1.000 1 0 1 0 0 1.000
2018 - 7 13 14 0 4 1.000 45 24 69 3 3 .969 -
2019 - 9 19 23 1 7 .977 47 27 62 0 9 1.000 -
2020 - 2 3 7 0 0 1.000 17 9 25 1 0 .971 -
2021 - 11 17 23 0 8 1.000 1 0 1 0 0 1.000 -
2022 1 5 0 0 1 1.000 15 11 26 0 4 1.000 11 6 7 0 0 1.000 -
2023 - 26 51 65 1 10 .991 11 5 13 1 1 .947 -
通算 1 5 0 0 1 1.000 338 715 910 26 171 .984 147 80 193 5 14 .982 1 0 1 0 0 1.000
  • 2023年度シーズン終了時

記録

初記録

背番号

  • 39(2015年 - 2016年)
  • 5(2017年 - )

登場曲

現在使用している登場曲
過去に使用していた登場曲

脚注

  1. ^ オリックス - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年12月3日閲覧
  2. ^ 『2016プロ野球12球団全選手カラー百科名鑑』 廣済堂出版発行(ISBN 978-4-331-80325-7) 101頁
  3. ^ a b オリ7位167センチ西野、あるぞ小兵侍」『日刊スポーツ』2015年2月4日。2024年6月16日閲覧
  4. ^ 社会人代表」『野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  5. ^ 1部リーグの試合情報//12'春季」『千葉県大学野球連盟』。2024年6月16日閲覧
  6. ^ 1部リーグの試合情報//12'秋季」『千葉県大学野球連盟』。2024年6月16日閲覧
  7. ^ 週刊ベースボール増刊 大学野球2012秋季リーグ戦決算号 ベースボールマガジン社
  8. ^ 2015スポニチプロ野球選手名鑑 毎日新聞社
  9. ^ ベストナイン・表彰選手 (PDF) 公益財団法人 日本野球連盟
  10. ^ 第17回アジア競技大会 社会人代表」『野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  11. ^ a b オリックス西野真弘 パ17年ぶりの新人王野手誕生なるか?」『BASEBALL KING』2015年5月25日。2019年8月27日閲覧
  12. ^ 2014年度ドラフト会議 契約交渉権獲得選手」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』2014年10月23日。2024年6月16日閲覧
  13. ^ オリ ドラフト6位・坂寄、7位・西野と仮契約」『スポニチ Sponichi Annex』2014年11月28日。2024年6月16日閲覧
  14. ^ 新人選手紹介 オリックス・バファローズ オフィシャルサイト
  15. ^ 2014年 試合結果」『JR東日本野球部』。2024年6月16日閲覧
  16. ^ 公示(出場選手登録・抹消)」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  17. ^ 2015年4月2日 福岡ソフトバンク 対 オリックス 成績詳細」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  18. ^ どん底…オリ“丸抱え”借金10最下位 他5球団は勝率5割以上」『スポニチ Sponichi Annex』2015年4月13日。2024年6月16日閲覧
  19. ^ 2015年4月12日 楽天イーグルス 対 オリックス 成績詳細」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  20. ^ オリ7位西野、プロ10打席目でうれしい初打点」『日刊スポーツ』2015年4月22日。2024年6月16日閲覧
  21. ^ 2015年4月22日 千葉ロッテ 対 オリックス 一球速報」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  22. ^ オリ西野プロ1号「めちゃくちゃうれしいです」」『日刊スポーツ』2015年4月29日。2024年6月16日閲覧
  23. ^ 2015年4月29日 オリックス 対 楽天イーグルス 成績詳細」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  24. ^ 2015年5月2日 オリックス 対 福岡ソフトバンク 一球速報」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  25. ^ オリックス西野骨折 全治2カ月で新人王争いピンチ」『日刊スポーツ』2015年7月4日。2024年6月16日閲覧
  26. ^ 2015年7月2日 北海道日本ハム 対 オリックス 成績詳細」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  27. ^ 公示(出場選手登録・抹消)」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』。2024年6月16日閲覧
  28. ^ オリックス西野が雪辱だ「出塁率4割を目指したい」」『日刊スポーツ』2016年1月19日。2024年6月16日閲覧
  29. ^ オリックス西野が一日警察署長 右手骨折はほぼ回復」『日刊スポーツ』2015年12月1日。2024年6月16日閲覧
  30. ^ 2016年度 オリックス・バファローズ 個人打撃成績(パシフィック・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年6月16日閲覧
  31. ^ 個人守備成績(パシフィック・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年6月16日閲覧
  32. ^ 2016年度 パシフィック・リーグ リーダーズ(打撃部門) 三塁打」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年6月16日閲覧
  33. ^ 2016年度 パシフィック・リーグ リーダーズ(守備部門) 失策(二塁手)」『NPB.jp 日本野球機構』。2024年6月16日閲覧
  34. ^ 背番号変更のお知らせ」『オリックス・バファローズ オフィシャルサイト』2016年12月12日。2024年6月16日閲覧
  35. ^ オリックス西野が長期離脱へ 前頭骨骨折と脳振とう」『日刊スポーツ』2018年8月12日。2024年6月16日閲覧
  36. ^ 西武・高橋光 あと3人で…ノーヒットノーラン達成ならず オリ代打・西野が中前打」『スポニチ Sponichi Annex』2020年9月8日。2023年1月17日閲覧
  37. ^ 【オリックス】宮城大弥「勝ったらやり返せる」6回無失点 先制V打西野真弘「必死にやった」」『日刊スポーツ』2023年10月29日。2024年5月11日閲覧
  38. ^ オリックス・西野真弘 自らの役割を胸に刻んで「そういう部分も勝負を分けるシーンになってくる」/いぶし銀の輝き | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2024年5月7日。2024年5月11日閲覧
  39. ^ オリックス・西野真弘、100万円減2300万円サイン 10年目の来季へ「波を少なくしたい」」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2023年12月2日。2024年6月15日閲覧
  40. ^ オリックス・西野真弘 何が何でもレギュラー奪取を目指す/二番打者の矜持 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2018年1月23日。2024年6月15日閲覧
  41. ^ オリックス西野が初対外試合でマルチ安打 昨季の悔しさを晴らせるか」『Full-Count』2016年2月14日。2024年6月15日閲覧
  42. ^ オリックス・西野真弘 自分のカラーを前面に 「結果を出して、背番号を自分色に染めて平野さんを超えたい」 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2017年1月18日。2024年6月15日閲覧
  43. ^ 「開幕スタメンが全てではない」西野真弘の矜持…今夏34歳が目指す「脇役的な存在」」『Full-Count』2024年4月16日。2024年4月18日閲覧
  44. ^ オリックス・西野、山岡の練習法導入 体の使い方意識」『SANSPO.COM(サンスポ)』2020年5月7日。2021年4月5日閲覧
  45. ^ 「ずっと出れば3割打てる」打率.381のオリックス・西野の凄みを坂口氏が解説」『BASEBALL KING』2024年4月10日。2024年6月15日閲覧
  46. ^ オリックスに新しい風を吹かせる西野真弘!小さくたって負けない、背が小さい選手が必要な理由」『週刊野球太郎』2015年5月19日。2021年4月5日閲覧
  47. ^ オリックス・バファローズ公式 ニックネームリスト」『オリックス・バファローズ公式』。2024年4月18日閲覧
  48. ^ オリ西野 “目標”平野バット持参「恵一さんを超えたい」」『スポニチ Sponichi Annex』2016年1月30日。2021年5月30日閲覧
  49. ^ a b オリックス西野、背番5に変更「恥じない結果を」」『日刊スポーツ』2016年12月1日。2021年5月30日閲覧
  50. ^ 【球界常識ヒジョーシキ】小柄な大先輩…平野恵一の「応援歌」、オリの西野が継承」『産経WEST』産経新聞社、2016年3月3日。2021年4月5日閲覧

関連項目

外部リンク