第17回秋華賞は2012年10月14日に施行された競馬の競走である。ジェンティルドンナが桜花賞、優駿牝馬に続いて優勝し、牝馬三冠を達成した。
レース施行前の状況
本年度の3歳牝馬路線は阪神ジュベナイルフィリーズを制したジョワドヴィーヴルが主役になると目されていたが[1]、同馬は圧倒的人気に推されたチューリップ賞で3着、次の桜花賞でも6着に敗退[2]。その後に骨折が見つかり、休養に入った[3]。
桜花賞は、シンザン記念の優勝馬で前走のチューリップ賞では4着に敗れていたジェンティルドンナが優勝した[4]。ジェンティルドンナは続く優駿牝馬にも勝ち[4]、春の二冠を達成した。同馬は秋初戦のローズステークスも快勝[4]。本競走では単勝1.3倍と断然の主役として臨んできた[5]。
対抗馬の筆頭とされたのが、クイーンカップの優勝馬で、桜花賞、優駿牝馬、ローズステークスで全てジェンティルドンナの2着に敗れていたヴィルシーナ[6]。他にも、重賞勝ち馬のトーセンベニザクラ(フェアリーステークス)[7]、ハナズゴール(チューリップ賞)[8]、アイムユアーズ(フィリーズレビュー、クイーンステークス)[9]、オメガハートランド(フラワーカップ)[10]、ミッドサマーフェア(フローラステークス)[11]や、古馬相手に1000万条件を勝ち上がったハワイアンウインド[12]、アロマティコ[13]らが出走してきた。
一方、紫苑ステークスの勝ち馬であるパララサルーは両前脚に腱鞘炎を発症したため、秋を全休することとなった[14]。
夏の上がり馬は少なく、出走18頭中、13頭が優駿牝馬にも出走していた[要出典]。
春のクラシックの結果
- 第72回桜花賞[15]
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
ジェンティルドンナ |
牝3 |
岩田康誠 |
1:34.6 |
|
2 |
ヴィルシーナ |
牝3 |
内田博幸 |
1:34.7 |
1/2
|
3 |
アイムユアーズ |
牝3 |
N.ピンナ |
1:34.8 |
1/2
|
- 第73回優駿牝馬[16]
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
ジェンティルドンナ |
牝3 |
川田将雅 |
2:23.6 |
|
2 |
ヴィルシーナ |
牝3 |
内田博幸 |
2:24.4 |
5
|
3 |
アイスフォーリス |
牝3 |
松岡正海 |
2:24.5 |
3/4
|
トライアルの結果
- 紫苑ステークス[17]
- 第30回ローズステークス[18]
着順 |
競走馬名 |
性齢 |
騎手 |
タイム |
着差
|
1 |
ジェンティルドンナ |
牝3 |
岩田康誠 |
1:46.8 |
|
2 |
ヴィルシーナ |
牝3 |
内田博幸 |
1:47.0 |
1 1/2
|
3 |
ラスヴェンチュラス |
牝3 |
川田将雅 |
1:47.1 |
3/4
|
出走馬と枠順
スポーツナビ(Yahoo Japan)の「第17回秋華賞(GI)」出馬表およびオッズ参照。
負担重量は全馬55kg。
レース展開
スタート後のポジション争いでは、最内枠のヴィルシーナが気合をつけて逃げる作戦にでた[19]。ジェンティルドンナは馬群中団の外を追走する[20]。前半はスローペースで流れ、1000メートルの通過は62.2秒[20]。向こう正面に入ると、チェリーメドゥーサが最後方から一気に進出を開始して先頭に立ち、大逃げをうった[19][20]。後続も残り600メートルを過ぎたあたりから進出を開始する。最後の直線に入ってもチェリーメドゥーサと後続は大きく離れていたがゴール前で一杯になり、残り約100メートルになってようやくジェンティルドンナとヴィルシーナが馬体を併せて追い上げてくる[19][20]。ゴール前では大接戦となったが、わずか7センチメートルの差でジェンティルドンナが優勝した[19][20]。
レース結果
以下は、netkeiba.comの第17回秋華賞(G1)[5]および月刊『優駿』2012年12月号100頁参照。
着順 |
馬番
|
枠番 |
競走馬名 |
タイム |
着差
|
上がり3F
|
1 |
7
|
14 |
ジェンティルドンナ |
2:00.4 |
|
33.1
|
2 |
1
|
1 |
ヴィルシーナ |
2:00.4 |
ハナ
|
33.9
|
3 |
1
|
1 |
アロマティコ |
2:00.6 |
1 1/2
|
33.1
|
4 |
2
|
2 |
ブリッジクライム |
2:00.7 |
1/2
|
33.0
|
5 |
3
|
6 |
チェリーメドゥーサ |
2:00.7 |
ハナ
|
35.5
|
6 |
8
|
17 |
アイムユアーズ |
2:00.7 |
ハナ
|
33.6
|
7 |
6
|
11 |
サンシャイン |
2:00.8 |
3/4
|
33.7
|
8 |
4
|
8 |
キャトルフィーユ |
2:00.8 |
アタマ
|
34.0
|
9 |
4
|
7 |
トーセンベニザクラ |
2:01.1 |
1 3/4
|
33.8
|
10 |
3
|
5 |
ラスヴェンチュラス |
2:01.1 |
アタマ
|
32.9
|
11 |
7
|
15 |
ミッドサマーフェア |
2:01.1 |
ハナ
|
33.6
|
12 |
5
|
9 |
ダイワズーム |
2:01.2 |
1/2
|
34.1
|
13 |
2
|
4 |
ハワイアンウインド |
2:01.2 |
アタマ
|
33.7
|
14 |
8
|
18 |
オメガハートランド |
2:01.4 |
3/4
|
33.6
|
15 |
6
|
12 |
アイスフォーリス |
2:01.6 |
1 1/4
|
34.9
|
16 |
5
|
10 |
ハナズゴール |
2:02.0 |
2 1/2
|
34.0
|
17 |
8
|
16 |
サトノジョリー |
2:02.1 |
1/2
|
34.3
|
18 |
7
|
13 |
メイショウスザンナ |
2:02.4 |
2
|
35.7
|
データ
1000m通過タイム |
62.2秒(チェリーメドゥーサ)
|
上がり4ハロン |
46.6秒
|
上がり3ハロン |
35.2秒
|
優勝馬上がり3ハロン |
33.1秒
|
最速馬上がり3ハロン
|
32.9秒(ラスヴェンチュラス)
|
払戻金
単勝 |
14 |
130円
|
複勝 |
14 |
110円
|
1 |
130円
|
2 |
410円
|
枠連 |
1-7 |
230円
|
馬連 |
1-14 |
250円
|
馬単 |
14-1 |
300円
|
3連複 |
1-2-14 |
1,990円
|
3連単 |
14-1-2 |
3,660円
|
ワイド |
1-2 |
150円
|
1-14 |
590円
|
2-14 |
1,130円
|
テレビ・ラジオ中継
達成された記録
- 優勝馬のジェンティルドンナは、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネに続く史上4頭目の牝馬三冠を達成した[21]。
- ジェンティルドンナの父であるディープインパクトもクラシック三冠を達成しており、史上初めて親子での三冠達成となった[22]。
- 優勝騎手の岩田は、史上初めて秋華賞を連覇した[23]。また、秋華賞3勝目[注 1]となり、武豊[注 2]に並ぶ最多勝騎手となった[23]。
- 勝ちタイム2:00.4は、良馬場開催では同レース史上2番目に遅いタイムとなっている[注 3]
- ラスヴェンチュラスが記録した上がり3F32秒9は、2007年の4着馬ベッラレイアに並ぶ同レース最速記録となっている(2024年現在)
脚注
注釈
出典