熊谷 達也(くまがい たつや、1958年4月25日 - )は、日本の小説家。東京電機大学理工学部卒業。
経歴・人物
宮城県仙台市出身。宮城県佐沼高等学校、東京電機大学理工学部数理学科卒。卒業後、埼玉県と宮城県気仙沼中学校[1]で公立中学校の数学教諭を8年間勤める。その後、宮城県に帰り、保険代理店業を経て、1997年に『ウエンカムイの爪』で小説すばる新人賞を受賞し、作家としてデビューする。2011年の東日本大震災当時も2013年現在も仙台市在住。
『漂泊の牙』『まほろばの疾風』『荒蝦夷』『迎え火の山』など、東北地方や北海道の民俗・文化・風土に根ざした作品で知られる。2004年、『相剋の森』から始まり『氷結の森』で終わるマタギ3部作の第2作『邂逅の森』で、初の山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞を果たす。
東日本大震災をきっかけに、宮城県のかつて遠洋漁業で栄えた湊町である、気仙沼市をモデルにした架空の街「仙河海(せんがうみ)市」を舞台にした、明治から近未来までの人々の物語を描く年代記<仙河海サーガ>を書き始める[2][3]。
プライベートでは外国製のオートバイをこよなく愛することで知られる。
文学だけでなくK'zというロックバンドでギターを弾くなどミュージシャンとしての一面も持つ。
受賞歴
作品リスト
- ウエンカムイの爪 集英社、1998 のち文庫
- 漂泊の牙 集英社、1999 のち文庫
- まほろばの疾風(かぜ)集英社、2000 のち文庫
- 迎え火の山 講談社、2001 のち文庫
- 山背郷(短編集)集英社、2002 のち文庫
- マイ・ホーム・タウン 小学館、2003 「冒険の日々」文庫
- 相剋の森(マタギ3部作第1作)集英社、2003 のち文庫
- 邂逅の森(マタギ3部作第2作)文藝春秋、2004 のち文庫
- 荒蝦夷 平凡社、2004 のち集英社文庫
- 山背の里から 杜の都でひとり言(エッセイ)小学館、2004
- モビィ・ドール 集英社、2005 のち文庫
- 懐郷 新潮社、2005 のち文庫
- 虹色にランドスケープ 文藝春秋、2005 のち文庫
- 新参教師 徳間書店、2006 のち文庫
- 七夕しぐれ 光文社、2006 のち文庫
- 氷結の森(マタギ3部作第3作)集英社、2007 のち文庫
- 箕作り弥平商伝記 講談社、2007.7 のち文庫
- はぐれ鷹 文藝春秋、2007.10
- 群青に沈め 僕たちの特攻 角川書店、2008.2 のち文庫
- いつかX橋で 新潮社、2008.11 のち文庫
- ゆうとりあ 文藝春秋、2009.3 のち文庫
- オヤジ・エイジ・ロックンロール 実業之日本社、2009.11 のち文庫
- モラトリアムな季節 光文社、2010 のち文庫
- 銀狼王 集英社、2010.6 のち文庫
- 稲穂の海 文藝春秋 2010.10 のち文庫
- 翼に息吹を 角川書店 2011.3 のち文庫
- バイバイ・フォギーデイ 講談社 2012.4
- 光降る丘 角川書店 2012.9 (2008年6月の岩手・宮城内陸地震が題材)
- 烈風のレクイエム 新潮社 2013.2 (小説新潮 2011.9~2012.12 連載「海峡の絆」を改題)のち「海峡の鎮魂歌」改題、文庫
- 調律師 文藝春秋、2013.5 のち文庫
- 明日へのペダル NHK出版 2022.6
- 仙河海サーガ(作中年代)
- 『リアスの子』光文社 2013年(1990年)
- 『微睡みの海』角川書店 2014年(2010〜11年)
- 『ティーンズ・エッジ・ロックンロール』実業之日本社 2015年(2010〜11年3月10日)
- 『潮の音、空の青、海の詩』NHK出版 2015年(2011年3月11日〜2060年)
- 『希望の海 仙河海叙景』集英社 2016年(2011年3月10日〜2012年)
- 『揺らぐ街』光文社 2016年(2011年3月11日〜2013年)
- 『浜の甚兵衛』講談社 2016年(1896年−1929年)
- 『鮪立の海』文藝春秋 2017年(1932-1958年)
海外への翻訳
中国大陸(簡化字)
- 邂逅之森 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-邂逅の森
関連項目
注
- ^ 「東北から希望を発信 熊谷達也さんに聞く」2013年2月23日日本経済新聞夕刊5面
- ^ 土方正志 (2020年4月15日). “いまはなき気仙沼の町の暮らしと大正~昭和を生き抜いた人々への賛歌 『鮪立の海』(熊谷 達也)”. 文藝春秋. https://books.bunshun.jp/articles/-/5393?page=2 2023年6月12日閲覧。
- ^ 『浜の甚兵衛』講談社文庫 2019年(土方正志「解説」)
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- 第11回 堤千代『小指』他/河内仙介『軍事郵便』
- 第12回 村上元三『上総風土記』他
- 第13回 木村荘十『雲南守備兵』
- 第14回 該当作品なし
- 第15回 該当作品なし
- 第16回 田岡典夫『強情いちご』他/神崎武雄『寛容』他
- 第17回 山本周五郎『日本婦道記』(受賞辞退)
- 第18回 森荘已池『山畠』『蛾と笹舟』
- 第19回 岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
- 第20回 該当作品なし
- 第21回 富田常雄『面』『刺青』他
- 第22回 山田克郎『海の廃園』
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