梅本弘(うめもと ひろし 1958年– )は、日本の戦史家、戦記作家、モデラー。編集者である市村弘(いちむらひろし)の筆名。
茨城県生まれ。武蔵野美術大学工業デザイン科卒。1980年代より軍事関係の書籍の翻訳・編集を手がけ、1989年に第二次世界大戦中の第一次ソ芬戦争を扱ったノンフィクション『雪中の奇跡』で作家デビュー。
その後は架空戦記も手がけ、小林源文の劇画『ハッピータイガー』の原案を担当、同作を小説化した『ビルマの虎』、続編である『逆襲の虎』などを発表した(なお、小林の作品にはしばしば「梅本」という名のキャラクターが登場するが、モデルはこの梅本である)。
ノンフィクションにおいても『雪中の奇跡』の続編といえる第二次ソ芬戦争を扱った『流血の夏』や、太平洋戦争中のビルマ戦線における大日本帝国陸軍航空部隊の戦闘の実態を調査した『ビルマ航空戦』、中国戦線における『陸軍戦闘隊撃墜戦記』を発表。また、2010年(平成22年)には一式戦闘機「隼」のエース・パイロットの活躍を纏めた『第二次大戦の隼のエース』を発表した。これら『ビルマ航空戦』『陸軍戦闘隊撃墜戦記』『第二次大戦の隼のエース』における記述内容は、日本軍の当時の戦果報告や操縦者を中心とする関係者インタビューに、連合軍の公式文書である損害記録とを照らし合わせた上での真の戦果を詳述したものであり、従来の不正確な書物(日本軍の戦果報告を鵜呑みにしており、出典は孫引きが多い)などと異なり評価が高い。また『第二次大戦の隼のエース』は本書を読んだ宮崎駿より激励・賞賛されている[1]。
なお、編集者としての市村弘は、大学卒業後に株式会社ホビージャパンに入社し、月刊模型雑誌『ホビージャパン』の編集部員として「S.F.3.D ORIGINAL(現マシーネンクリーガー)」の連載企画を手がけ、ストーリー・設定を担当した。また、自らもAFVモデラーとして作例を製作した。その後ホビージャパンを退社し、1984年に株式会社アートボックスを設立してからは、同社代表として月刊模型雑誌『モデルグラフィックス』の編集をはじめとした模型に関連する企画を扱っている。
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