宝生寺(ほうしょうじ)は、大分県豊後大野市清川町宇田枝にある臨済宗妙心寺派の寺院。本尊は釈迦如来。豊後大野市指定史跡[1]。境内には約100本のイロハモミジやオオモミジ等があり[2]、紅葉の名所として知られる[3][4][5]。
歴史
寺伝によれば、久安年間(1145年-1151年)に源為朝によって建立したとされ、本堂にある十一面観音坐像は「為朝公背負の仏」と呼ばれる[6]。
一方、享和3年(1803年)に完成した『豊後国志』では、大友氏第14代当主大友親隆が1450年(宝徳2年)に、明室禅師を開山とし、御嶽神社の別当寺として創建したとされる[7]。ただし、境内の石造物にはこれより古い年代の銘が見られるため、寺は南北朝時代以前から存在しており、大友氏によって再興されたものと考えられている[1]。
江戸時代には、岡藩藩主中川氏の庇護のもとで隆盛した[1]。
文化財
豊後大野市指定史跡
- 宝生寺 - 2005年(平成17年)3月31日指定(1988年(昭和63年)10月1日清川村指定)[1]
豊後大野市指定有形文化財
- 十一面観音坐像 - 2005年(平成17年)3月31日指定(1995年(平成7年)10月1日清川村指定)
- 本堂仏壇に安置されている。像高91.3cmで、桧材の寄木造り。胎内の銘によれば寛文3年(1663年)に加藤清左衛門を施主として再興されたものであるが、頭部は以前の像からの転用とみられている[8]。創建当初の本尊とされる[6]。
- 宝生寺石幢 - 2005年(平成17年)3月31日指定(1988年(昭和63年)10月1日清川村指定)
- 寺の入口に位置する。銘文はないが室町時代の作と推定されている。総高2.85m。この地域には珍しく平面が円形の笠・中台・幢身を持ち、龕部には六地蔵や十王・俗人像が刻まれている[9]。
- 宝生寺石塔 - 2005年(平成17年)3月31日指定(1988年(昭和63年)10月1日清川村指定)
- 境内にある石塔群。元徳2年(1330年)の銘がある宝塔や、応永14年(1402年)の銘がある宝篋印塔等からなる[9]。
交通
脚注
外部リンク