定林寺(じょうりんじ)は、埼玉県秩父市にある曹洞宗の寺院。
歴史
創建年代は不明であるが、壬生良門の開基である。良門は家臣を抱えるひとかどの武将であったが、性格が粗暴で、家臣や領民も困っていた。ある日、家臣の林太郎定元が主君を諌止したところ、逆に追放処分を受けてしまった。林一家は流浪の旅を続け、当地において夫妻ともに病没してしまった。林夫妻には一人の遺児がおり、この子は「空照」という僧侶に引き取られた。その後、良門も当地に至り休憩を取っていた。そこで、元家臣の定元の最期を聞き、己の罪深さを悔いて、亡き定元のために寺を創建することになった。「定林寺」という寺号は「林太郎定元」に由来する[1]。
なお「今昔物語集」にも、「壬生良門」という人物が登場するが、それとの関係は不明である[1]。
現在は、秩父札所17番となっているが、「長享の秩父札所番付(長享番付)」では1番になっている。江戸時代に入ると、江戸からの巡礼者が秩父往還経由で来るようになったことから、番付が変更になったという[1][2]。
文化財
- 銅鐘(埼玉県指定有形文化財 昭和39年3月27日指定)[3]
- 札所17番実正山定林寺(秩父市指定史跡 昭和40年1月25日指定)[4]
交通アクセス
前後の札所
- 秩父札所(江戸巡礼古道)[5]
- 16 西光寺 --(1.3km)-- 17 定林寺 -- (1.1km)-- 18 神門寺
脚注
参考文献
- 敏蔭英三 写真、秋山喜久夫 文『写真紀行 埼玉の寺 Ⅱ』埼玉新聞社、1981年
外部リンク