『妖しき文豪怪談』(あやしきぶんごうかいだん)は、NHKデジタル衛星ハイビジョン(BShi)で2010年8月に放送されたテレビ番組シリーズである。2010年8月23日から4夜連続で放送された。
概要
日本の文豪たちの短編小説作品を、気鋭の映画監督たちが映像化に挑戦したドラマ・パート(番組前半・約35分)と、ドラマのメイキング映像及び文豪の生涯から作品の背景に迫るドキュメンタリー・パート(約25分)で構成された4本のシリーズである。
番組タイトルに「怪談」とあるが、いずれの作品も原作から見てとれるようにホラー映画的な怖さに焦点を当てたものではなく、「妖しき」幽玄・夢幻の世界を描いた作風となっている。
2010年11月24・25日、4作品のドラマが「第11回東京フィルメックス」にて特別招待作品として上映された[1]。
原作との違い
- 『片腕』 - 無し。セリフも含めて忠実に映像化。
- 『葉桜と魔笛』 - 原作には無い姉の恋人が登場、エピソードが追加される。
- 『鼻』 - 後日談という設定で完全なオリジナルストーリー。
- 『後の日』 - ほぼ忠実。ラストシーンの描き方が異なる。
放送リスト
タイトル
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脚本・監督
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原作
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放送日時
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片腕
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落合正幸
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川端康成「片腕」
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8月23日(月)22:00 - 23:14
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再放送 8月29日(日) 21:00 - 25:30
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葉桜と魔笛
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塚本晋也
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太宰治「葉桜と魔笛」
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8月24日(火)22:00 - 23:00
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鼻
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李相日
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芥川龍之介「鼻」
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8月25日(水)22:00 - 23:00
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後の日
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是枝裕和
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室生犀星「童子」「後の日の童子」
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8月26日(木)22:00 - 23:14
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片腕
英題:The Arm 原作:川端康成 ドラマ43分
ドラマ・パート
キャスト
スタッフ
- 撮影:木村祐一郎
- CG制作:岡野正広、大石洋平
- 特殊造形:松井祐一
- プロデューサー:神戸將光、中頭千廣
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ドキュメンタリー・パート
出演
スタッフ
- ディレクター:宗像竜大
- プロデューサー:田中政文、石原正礼
- 制作協力:東京サウンドプロダクション
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葉桜と魔笛
英題:The Whistler 原作:太宰治 ドラマ35分
ドラマ・パート
キャスト
スタッフ
- 撮影:塚本晋也、志田貴之
- プロデューサー:塚本晋也、川原伸一
- 制作協力:海獣シアター
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ドキュメンタリー・パート
出演
スタッフ
- ディレクター:宗像竜大
- プロデューサー:田中政文、石原正礼
- 制作協力:東京サウンドプロダクション
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鼻
英題:The Nose 原作:芥川龍之介 ドラマ33分
ドラマ・パート
キャスト
スタッフ
- 音楽:大友良英
- 撮影:笠松則通
- 美術:佐々木尚
- アシスタントプロデューサー:斉藤有希
- プロデューサー:押田興将、松野恵美子
- 制作協力:オフィスシロウズ
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ドキュメンタリー・パート
出演
スタッフ
- ディレクター:黒田由布子
- プロデューサー:田中直人
- 制作協力:テレビマンユニオン
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後の日
英題:The Days After 原作:室生犀星 ドラマ49分
ドラマ・パート
キャスト
スタッフ
- 撮影:山崎裕
- アシスタントプロデューサー:福間美由紀
- プロデューサー:熊谷喜一
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ドキュメンタリー・パート
出演
スタッフ
- ディレクター:黒田由布子
- プロデューサー:田中直人
- 音楽:畑中正人
- 制作協力:テレビマンユニオン
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番組スタッフ
関連番組
特別番組
- 『怪しき文豪怪談・秋の夜長の怪談会』 2010年11月13日 18:30 - 21:50 BShi
- 出演:佐野史郎、MEGUMI、東雅夫
- 内容:本作品のドラマ・パートを一挙放送。ドラマの前後に3人による座談会という構成。ドラマは「鼻」「片腕」「葉桜と魔笛」「後の日」の順で放送された。
プロモーション番組
放送局は全てNHK総合。
- 『妖しき文豪怪談の魅力』 8月12日 1:00 - 1:54(11日深夜)
- 出演:佐野史郎、東雅夫、藤井彩子
- 『文豪怪談に挑む監督たち』 8月16日 3:40 - 4:00(15日深夜)
- 『ミニ番組 妖しき文豪怪談の魅力』 8月16日から随時 5分×3本(「文豪編」「監督編」「歴史編」)
脚注
外部リンク