大統領自由勲章(だいとうりょうじゆうくんしょう、英語: Presidential Medal of Freedom)は、アメリカ合衆国の勲章で、議会名誉黄金勲章と並んで文民に贈られる最高位の勲章である。
解説
受章対象者は、「アメリカ合衆国の国益や安全、または世界平和の推進、文化活動、その他の公的・個人的活動に対して特別の賞賛に値する努力や貢献を行った個人」である。
この勲章は1963年にジョン・F・ケネディが大統領命令11085号[2]により、第二次世界大戦中の1945年にハリー・S・トルーマンによって制定された自由勲章(英語版)の受章対象者を拡大する形で制定された。
授章式は独立記念日・7月4日の前後に行われ、毎年授章式が行われている。受章者の決定は、推薦などを参考に大統領が行う。故人に追贈されることもある。
受章者
国家元首・政治家関連
アラン・グリーンスパン(元FRB議長)、アルバロ・ウリベ(元コロンビア大統領)、マーガレット・サッチャー(元イギリス首相)、トニー・ブレア(元イギリス首相)、ジョージ・H・W・ブッシュ(元アメリカ大統領)、アンゲラ・メルケル(ドイツ首相)、ジョン・ハワード(元オーストラリア首相)、ドナルド・ラムズフェルド(元国防長官)、ヘンリー・キッシンジャー、ディック・チェイニー(元国務長官)、ジョージ・シュルツ(元国務長官)、ロバート・マクナマラ(元国防長官)、メアリー・ロビンソン(元アイルランド大統領)、ジョー・バイデン[3](受賞時は現職の副大統領。2021年より正大統領)、ヒラリー・クリントン(元国務長官)など
経営学者、経営者関連
ピーター・ドラッカー、ウォーレン・バフェット、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、メリンダ・ゲイツ
文化・芸能・スポーツ関連
アンセル・アダムス、ドリス・デイ、チャールトン・ヘストン、ウォルト・ディズニー、ジョン・ハーシェル・グレン、フランク・シナトラ、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ヨーヨー・マ、スタン・ミュージアル、ジェシー・オーエンス、トム・ハンクス、アレサ・フランクリン、モハメド・アリ、ビリー・ジーン・キング、マイケル・ジョーダン、ラッシュ・リンボー、ベーブ・ルース、リオネル・メッシなど
平和・人権・福祉活動家
ヨハネ・パウロ2世、マザー・テレサ、ヘレン・ケラー、フレッド・コレマツ、ゴードン・ヒラバヤシ、ミノル・ヤスイ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、グロリア・スタイネム、ジョン・ルイス(英語版)、フランシスコなど
また、複数回の受章が可能であり、デンゼル・ワシントンやコリン・パウエルはこの賞を複数回受章している。一部の叙勲は栄誉章付き(Presidential Medal of Freedom with Distinction)となっている[4]。
意匠
メダルのデザインは、エナメルの赤五角形をベースに、白エナメル・金縁の星を配したものである。星の中心には、円形の青地エナメルがあり、さらにその中に(アメリカの独立の象徴である)13個の金星が配置されている。メダルの周囲には、5羽の羽を広げたワシが円状に配されている。
脚注
関連項目
- 名誉勲章 - アメリカ合衆国において軍人へ授与される最高位の勲章
- 宇宙名誉勲章 - アメリカ合衆国において宇宙飛行士へ授与される最高位の勲章
- ウィキメディア・コモンズには、大統領自由勲章に関するカテゴリがあります。