中村勝 (歴史学者)

中村勝(なかむら まさる、1944年3月 - )は、日本の歴史学者経済学者。専攻は、経済史市場史、台湾高地の先住民史。東京都出身。

来歴

1944年、東京都に生まれる。1975年、京都大学農学博士号を取得。1976年、関東学園大学経済学部講師、同大学院経済学研究科助教授、教授。1987年、浦和短期大学経営学科教授。1990年、名古屋学院大学教授。1994年-95年にかけて国立台湾大学客座教授。

祖父は、焙烙焼きと魚の小売商であり、関東大震災後は私設小売市場で商売を行っていた。中村自身も、幼少時に買い出しに同行し、親戚の路上書籍商を手伝い、軽子水上生活者との出会いを経験しており、自身の研究のきっかけとしている[1]

日本の市場の歴史を、近世・近代の問屋集合市場(現代の中央卸売市場)の系譜と、ローカルな定期・生活市(野市のような民間の自由市場)の系譜の2つに分類して論じる。特に後者を社会に埋めこまれたものとし、市場の原点があると注目する。

主要著書

  • 『市場の語る日本の近代』そしえて、1980年 / 増補改訂版、1989年。
  • 『近代市場制度成立史論』多賀出版、1981年。
  • 魚河岸は生きている―築地市場労働者の生活社会史』そしえて、1990年。
  • 『創られた市場―近代日本・東アジアの在来市場と公設市場』ハーベスト社〈名古屋学院大学総合研究所研究叢書〉、2002年。
  • 『「愛国」と「他者」(台湾高地先住民の歴史人類学)』ヨベル、2007年。 - 井上伊之助について述べている

主要編著書

主要翻訳書

参考文献・脚注

  1. ^ 中村勝『市場の語る日本の近代』はしがき

関連項目