ロンドン・リンネ協会 (ロンドン・リンネきょうかい、Linnean Society of London)は、イギリスのロンドンにある分類学・博物学の研究と普及を目的とした学術機関である[2]。生物学的に重要な標本や原稿・文献のコレクションを所有しており、植物学・動物学に関わる学術誌を出版している。また本協会や分類学の歴史についてのレビュー誌である「The Linnean」の発行も行っている。本協会はまた、その分野での功績に対し、多くの権威あるメダルや賞の授与も行っている[3]。
歴史
リンネ協会は、植物学者ジェームズ・エドワード・スミス (Sir James Edward Smith、1759-1828)によって1788年に設立された。協会名は、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネ (Carl von Linné、1707-1778、叙爵前の名はカロルス・リンナエウス)に由来する。現存する世界で最も古い博物学の協会である[4]。
カール・フォン・リンネの植物学及び動物学に関するコレクションは、リンネ協会の初代会長である、ジェームズ・エドワード・スミス (Sir James Edward Smith)によって1783年に購入され、現在はロンドンの本協会で保管されている。コレクションは、14,000の植物と158の魚類、3,198の昆虫類、1,600冊の本、3,000通の手紙、書類からなっており、予約を取ることで閲覧することができる。
スミス自身のコレクションもまた本協会で保管されている。これはリバプール国立美術館 (National Museums Liverpool)(英語版) の「スミス植物園事業」 (the Smith Herbarium Project) によりデータベース化されており、6,000の標本が洗浄・修復された。
2014年12月には、本協会のコレクションはイギリス芸術協議会 (Arts Council England)(英語版) により、国家的に重要なコレクションのリストに加えられた[15]。
出版
リンネ協会が創刊し出版したジャーナルの中で、現代もまだ発行されているものとして下記のジャーナルがある。「the Biological Journal of the Linnean Society」(英語版)(全ての生物の進化生物学に焦点を当てている。)、「Botanical Journal of the Linnean Society」(英語版)(植物科学-plant sciencesに注目している。)、「Zoological Journal of the Linnean Society」(英語版) (動物の系統と進化に着目している。)。また「The Linnean」は半年ごとのニュースレターである。これは最近の活動やイベント、歴史・科学に関する記事、協会に関係する人々の伝記、あるいは書評・参考資料等を掲載している。協会はまた、書籍やフィールドガイドのシリーズである「Synopses of the British Fauna」も発行している。
^ Gage A.T. and Stearn W.T. (1988) A Bicentenary History of the Linnean Society of London, Linnean Society of London, p. 2
^ Freeman, R. B. (2007). Charles Darwin: A companion (2d online ed.). pp. 107, 109
^ "Obituary Notices". Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 110 (768): i–c. 1932.doi:10.1098/rspb.1932.0031 2015年11月6日閲覧
^Harris, Henry (1999). The Birth of the Cell. Yale University Press. pp. 76–81.
^ Cohen, I.B. (1985) Revolution in Science, Harvard University Press, 1985, pp. 288-289
^ Preston, Reginald Dawson (1990). "Irene Manton. 17 April 1904-13 May 1988". Biographical Memoirs of Fellows of the Royal Society 35: 248. doi:10.1098/rsbm.1990.0011 2015年11月6日閲覧