レモンバジル
分類 (APG III )
学名
Ocimum × africanum Lour.
シノニム
[ 1]
Ocimum americanum var. pilosum (Willd.) A.J.Paton
Ocimum basilicum var. anisatum Benth.
Ocimum basilicum var. pilosum (Willd.) Benth.
Ocimum citriodorum Vis.
Ocimum graveolens A.Br.
Ocimum petitianum A.Rich.
Ocimum pilosum Willd.
レモンバジル (Lemon basil)は、バジル とアメリカンバジル の雑種 である[ 2] [ 3] [ 4] 。ホーリーバジル[ 5] 、タイレモンバジル[ 6] 、ラオバジル[ 7] とも呼ばれる。このハーブ は、主に北東アフリカ 、南アジア で栽培される。レモン の香りを持ち、料理に用いられる。
レモンバジルの茎は、20-40cmの高さまで成長する。晩夏から早秋に白い花をつける。葉はバジルの葉と似ているが、若干小さめで縁が鋸歯状である。葉菜が落ちた後に種が付き、植物上で乾燥する。
アラビア料理 、インドネシア料理 、フィリピン料理 、ラオス料理 、マレーシア料理 、ペルシャ料理 、タイ料理 で良く用いられる。
利用
ラオス では、pak i tou と呼ばれ[ 7] 、スープ 、シチュー [ 7] 、カレー や炒め物によくレモンバジルを用い、ラオスで料理に最も頻繁に用いられるバジルとなっている[ 3] 。ラオスのシチューの多くは材料にレモンバジルを必要とし、他の種類のバジルで代用はできない。オルラム と呼ばれるラオスで最も人気のあるシチューでも主要材料としてレモンバジルが用いられる。
インドネシア ではkemangi と呼ばれ、料理に多用される唯一のバジルである。ララブ と呼ばれる生野菜のサラダ やサンバル の付け合わせとしてよく食べられる。また、カレーやスープ、シチュー、蒸し料理、グリル料理の味付けにも用いられる。タイ ではmaenglak と呼ばれ、タイ料理で使われる数種のバジルのうちの1つである。葉はカレーに用いられ、またカノム・ジーン と呼ばれる麺料理にも欠かせない。フィリピン ではsangig と呼ばれ、特にセブ島 やミンダナオ島 の一部では、law-uy と呼ばれる野菜スープの味付けに用いられる。水に浸した後の種子はチアシード に似て、スイーツ等に用いられる。インド 北東部のマニプル州 でも用いられ、カレーや、サラダの一種であるシンジュ 、唐辛子 のピクルス 等に用いられる。メーガーラヤ州 のガロ族 、カーシ族 、ジャインティア族 も、料理にレモンバジルを用いる。ガロ族はpanet と呼び、発酵した魚、唐辛子、タマネギ や時にローストしたトマト 等を加えて、冷たいソースを作るのに用いる。トリプラ州 ではbanta として知られ、発酵魚を用いたスパイシーなチャツネ であるbanta mosdeng を作るのに用いる。
栽培
栽培されているレモンバジル
レモンバジルの栽培には、他のバジルの品種の栽培と同様のケアが必要である。熱帯 植物であり、1日当たり少なくとも6時間の直射日光 が必要である。非常に丈夫な植物であり、水だけで成長するが、化学肥料 または有機肥料 を与えないと風味が悪くなる可能性がある。数週間で成長するが、土の表面が乾く場合には、水を与える必要がある。この時に植物が傾いていても、水を与えることで元に戻る。
バジルは、収穫期まで花をつけることはない。一度花が咲いてしまうと、風味は落ち、葉は小さく乾燥して固くなる。成長を続けるためには、できた花房は取り除かなければならない。ただ、冬になると枯れてしまうため、秋に種子を集めるためには、花を残しておく必要がある。最後の霜 が降りる2週間前に種子を収穫し、春になってから屋内で播種することで、来年の収穫も可能となる。
1週間に1度収穫すると、分岐したシュート が発達し、藪のようになる。繁殖は、種子をまくか挿し木することで行われる。種子から育てると3-4週間で150mmに達し、この時点で収穫して、枝分かれさせる。茎からの挿し木は、水に浸して1週間で根が出る。その後、水で満たされたメイソンジャー と、植物を所定の位置に保持するのに十分な大きさの穴が開いた正方形のメッシュを用いることで、成長させることができる。挿し木は何本でも植えることができるが、より早く発根させるためには、最も育ちの良い茎を用いるのが良い。水は数日に1回取り換える。2-3週間後には、鉢や庭に植え替えるのに十分な長さの根となる。
出典
^ “Ocimum africanum Lour. ”. WCSP: World Checklist of Selected Plant Families . Catalogue of Life. 2021年6月27日 閲覧。
^ Germplasm Resources Information Network
^ a b “Basil ”. Food from Northern Laos (4 August 2010). 31 May 2013 閲覧。
^ “Food & Wine Laos Food: Searching for a Lost Cuisine ”. Food & Wine (February 2011). 31 May 2013 閲覧。
^ USDA GRIN Taxonomy , https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?id=463843 11 June 2016 閲覧。
^ Darlene Anne Schmidt Thai Cooking: A Step-by-Step Guide to Authentic Dishes Made Easy , p. 35, - Google ブックス
^ a b c Dorothy Culloty Food from Northern Laos: The Boat Landing Cookbook , p. 34, - Google ブックス
外部リンク
Ocimum africanum Ocimum × citriodorum