その後、オリジナルの光学追尾装置を新型化し、赤外線暗視装置を追加したモデルとして、レイピア・ダークファイアが開発された。これはFS2B(Field Standard 2B; 通称レイピア90)構成として、1990年よりイギリス陸軍に配備されはじめた。
レーダーとレーザー
1970年代初頭より、目標捜索能力を強化するため、新たに独立したマルコーニ DN-181「ブラインドファイア」捜索レーダーが開発された。このレーダーは、1973年にイラン陸軍によって購入されたのち、1979年からイギリス陸軍において配備されはじめたFSA(Field Standard A)構成において導入された。また、これが配備されはじめた直後から、さらに対レーダーミサイルへの対抗策を講じたFSB(Field Standard B)構成が開発され、これはフォークランド紛争において実戦投入された。イギリス海兵隊第3コマンドー旅団の有するレイピアFSBシステムは、おそらく4機を撃墜したものと考えられている。
1992年、レイピア90(FS2B)の配備が開始され、Mk.2ミサイルの生産が開始された直後、全面的に改良されたレイピア2000(FSC: Field Standard C)が発表され、1996年より配備されはじめた。レイピア2000では、新型のダガー目標捕捉レーダーを追加した。ダガー・レーダーはJバンドを利用する3次元パルス・ドップラー・レーダーで、回転数は60rpmから30rpm、最大探知距離は32キロメートル、高度は5キロメートルで、同時に75個の目標を追尾できる。