『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(ルコルビュジエとアイリーン ついおくのヴィラ、The Price of Desire)は、2015年のベルギー・アイルランドの伝記映画。
監督はメアリー・マクガキアン(英語版)、出演はオーラ・ブラディ(英語版)とヴァンサン・ペレーズなど。
アイルランド出身のインテリアデザイナーで建築家のアイリーン・グレイと、後に「近代建築の巨匠」と呼ばれるようになるル・コルビュジエとの間で、グレイが手がけた海辺のヴィラ「E.1027」をめぐって起きた確執を描いている。
2015年3月に開催されたダブリン国際映画祭(英語版)でプレミア上映された[1]。
ストーリー
1920年代のフランスでインテリアデザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイが建築家ル・コルビュジエと出会ってから1976年に亡くなるまでを描いている。
物語はグレイとル・コルビュジエの両者の視点から描かれているが、ル・コルビュジエの心情はカメラ目線での独白やナレーションとして表現する演出が用いられている。
後に「近代建築の巨匠」と呼ばれるようになる建築家ル・コルビュジエは、気鋭のインテリアデザイナーとして名声を得ていたアイリーン・グレイと出会い、彼女とその才能に強く惹かれる。一方、アイリーンは建築家で評論家の恋人ジャン・バドヴィッチ(英語版)とともに、2人で暮らすことを目的に建築家として初の作品となるヴィラ「E.1027」をロクブリュヌ=カップ=マルタンの海辺に建てる。その完成度の高さに魅了されたル・コルビュジエはE.1027に入り浸るようになるが、当初のアイリーンへの賞賛の想いは次第に嫉妬へと変わり、その複雑な想いからアイリーンの断りなく、ヴィラの壁に卑猥なフレスコ画を描いてしまう。さらにE.1027をあたかも自分で手がけた作品であるかのように振る舞うル・コルビュジエとアイリーンとの間の亀裂は決定的なものとなるが、創作にはこだわっても所有にはこだわらないアイリーンは特に自らの成果を主張することはなかった。このため、E.1027は長くル・コルビュジエの作品とされ、アイリーンの存在は歴史の影に覆い隠されることとなる[2]。
第二次世界大戦を経て荒れ果てたE.1027を保存しようと奔走したル・コルビュジエだったが、1965年にE.1027の近くで海水浴中に亡くなる。また、視力の低下で引退していたアイリーンは1976年に亡くなる。
キャスト
出典
外部リンク