ヘキサナール(英: Hexanal)は鎖状脂肪族アルデヒドの一種で、化学式C6H12Oで表される。ヘキシルアルデヒドやカプロンアルデヒドとも呼ばれ、ダイズや草などの青臭さの原因物質である。
生成
脂肪酸の酸化により生じる。ダイズを例にとると、リノール酸がリポキシゲナーゼによってリノール酸13-ヒドロペルオキシドに変換され、ヒドロペルオキシドリアーゼによってn-ヘキサナールとなる。さらにn-ヘキサナールはアルデヒドデヒドロゲナーゼにより、カプロン酸へと変換する
[2]。リンゴジュースやオレンジジュース、オリーブオイルなどでも生じることがある。食品では不快臭となるため発生を抑えることが望ましく、リポキシゲナーゼを吸着除去したり煮沸して失活させるなどの対策がとられる[2]。工業的には1-ペンテンをヒドロホルミル化してヘキサナールを得、さらに水素化して可塑剤原料の1-ヘキサノールを製造することがある。
用途
食品用香料や、建材の防腐剤として使用される[3]。
性質
酸化されやすく、わずかな酸の存在下で重合しやすい傾向がある。
安全性
吸入や皮膚からの吸収により、健康に被害を生じる。目、呼吸器、皮膚に刺激性がある。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[4]。
脚注