フレデリック・クリフ(Frederic Cliffe, 1857年 - 1931年11月19日)は、イギリスの作曲家。
略歴
ヨークシャーのブラッドフォード生まれ。少年時代から楽才を発揮して将来を嘱望され、王立音楽大学の母体となった国立音楽訓練校(the National Training School for Music)に研究生として入学。ちなみに同校の校長はアーサー・サリヴァンであった[1]。
1884年から1931年まで王立音楽大学のピアノ科教授に就任[1]。著名な門人にジョン・アイアランドやアーサー・ベンジャミンらがいる。
作曲家としての活動は1889年から1905年までと短い。主要な作品に2つの交響曲があり、《第1番》は1889年にクリスタル・パレスにて初演され、その後ロイヤル・フィルハーモニック協会によって上演された。いずれの演奏も好評だったと伝えられ、デイリー・テレグラフ紙は「傑作」との評価を下している。あからさまな標題音楽というわけではないのだが、第1楽章は作曲者のノルウェー訪問の印象に影響されている。一方、1892年にリーズ音楽祭で初演された《交響曲 第2番》は、各楽章に題名が副えられている(第1楽章:日の入り(At Sunset)、第2楽章:夜(Night)、第3楽章:妖精の宴(Fairy Revels)、第4楽章:朝(Morning))。コントラルトと管弦楽のためのシェーナ《アルセスティスの凱旋》は、クレア・バットのために作曲された。
7年間の実質的な創作活動の時期より後に、主要な作品をもっと手懸けたのかははっきりせず、その後は作品の上演の機会にも恵まれなかった[2]。ようやく近年にその作品が再発見され、録音されている[3]。
主要作品一覧
- 交響曲ハ短調(Symphony in C minor)1889年
- 交響曲ホ短調(Symphony in E minor)1892年
- ヴァイオリン協奏曲ニ短調(Violin Concerto in D minor)1896年
- 管弦楽のための音の絵《雲と陽射し》(Orchestral Picture: Cloud and Sunshine)初演:1890年、フィルハーモニー協会
- コントラルトと管弦楽のためのシェーナ《アルセスティスの凱旋》(The Triumph of Alcestis, Scena for Contralto and Orchestra)初演:1902年、シェフィールド音楽祭
- 合唱のためのバラード《北東風への頌歌》(Ode to the North-East Wind, Choral Ballad)初演:1905年、ノリッジ音楽祭
註
外部リンク