『ヒカシュー』(ひかしゅー)は、ヒカシューの1枚目のオリジナル・アルバム。1980年2月5日にイーストワールド/東芝EMIより発売。
ジャケットは、一発撮りの俯瞰写真である。
概要
- ヒカシューのデビュー・アルバム。
- 1988年12月24日は、2ndアルバム『夏』との2枚組仕様の『ヒカシュー+夏』で初CD化された。
- 1990年10月10日に初めて単独でCD化された際には、「ドロドロ」と「白いハイウェイ」の2曲を追加した「ヒカシュー+2」として発売された。
楽曲解説
特記事項なき限り、本節の出典は『ヒカシュー+2』のライナー・ノーツ[1]。
- レトリックス&ロジックス
- 歌詞は、巻上の愛読書であるポール・グッドマン(英語版)の「ことば・そして文学」から着想を得たという。
- モデル
- クラフトワークのカバー。アルバム発売の2年後となる1982年にシングルカットされている[注 1]ほか、クラフトワークのトリビュート・アルバムの『ミュージック・ノン・ストップ ~トリビュート・トゥ・クラフトワーク』には再録音源が収録されている。
- ルージング・マイ・フューチャー
- 当時のライブでは、ブライアン・イーノのカバーとして演奏されていた「ベイビーズ・オン・ファイヤー」とメドレーで披露されていた。
- テイスト・オブ・ルナ
- ライブでは、歌詞中の「君のモモ」を「君の足」と変えて歌っていた。
- 20世紀の終りに
- 1979年に発売されたデビューシングルの表題曲。米沢玩具「サイコム」CMソング。
- プヨプヨ
- 作曲の山下は、この曲を10分で制作したという。後にセカンドシングル「白いハイウェイ」のB面に収録される。
- 炎天下
- 歌詞が存在する曲であるが、どの媒体で発売時にも歌詞カードに歌詞が掲載されたことはなく、非公表となっている。海琳正道は、元々自身のブルースバンドでやろうとしたが、「かっこ悪い」と思ったため、使わなかった[2]
- 何故かバーニング
- 歌詞中にジークムント・フロイトとエーリヒ・フロムの2人の心理学者の名前が登場する。
- 雨のミュージアム
- 歌詞中に登場するエゴン・シーレは、巻上が最も敬愛する画家である。
- 幼虫の危機
- 1978年に企画された演劇のために書き下ろされた曲。
ヒカシュー+2の収録曲
- ドロドロ
- 作詞:巻上公一 作曲:井上誠
- 「20世紀の終りに」のB面に収録された楽曲。
- 白いハイウェイ
- 作詞:巻上公一 作曲:作詞:巻上公一、海琳正道
- 2ndシングルの表題曲でアルバム未収録のシングルオンリー曲。『クラリオン』CMソング。イントロで、エンニオ・モリコーネの「続・夕陽のガンマン」のフレーズが引用されている。
収録曲
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|
1. | 「レトリックス&ロジックス」 | 巻上公一 | 巻上公一 | |
2. | 「モデル」 | 巻上公一 | クラフトワーク | |
3. | 「ルージング・マイ・フューチャー」 | 海琳正道 | 巻上公一 | |
4. | 「テイスト・オブ・ルナ」 | 巻上公一 | 戸辺哲 | |
5. | 「20世紀の終りに」 | 巻上公一 | 巻上公一 | |
6. | 「プヨプヨ」 | 巻上公一 | 山下康 | |
7. | 「ラヴ・トリートメント」 | 巻上公一 | 巻上公一 | |
8. | 「炎天下」 | 巻上公一 | 海琳正道 | |
9. | 「何故かバーニング」 | 巻上公一 | 巻上公一 | |
10. | 「ヴィニール人形」 | 戸辺哲 | 井上誠・巻上公一 | |
11. | 「雨のミュージアム」 | 巻上公一 | 海琳正道 | |
12. | 「幼虫の危機」 | 巻上公一 | 山下康 | |
リリース履歴
参加ミュージシャン
- ヒカシュー
- ゲストメンバー
- 高木利夫 - ドラムス(#1、#7、#9)
- 泉水敏郎 - ドラムス(#2、#3、#4、#11)
- 若林忠宏 - シタール(#6)、口琴[3] (#8)
脚注
注釈
出典