ジャージーシティ にあるエクスチェンジ・プレイス駅、ホーボーケン 、ニューアーク 方面行き
パストレイン (Port Authority Trans-Hudson , PATH ) は、アメリカ合衆国 のニューヨーク州 ニューヨーク市 とニュージャージー州 ニューアーク市 を結ぶ鉄道。正式名称 The Port Authority Trans-Hudson Corporation (港湾公社ハドソン川横断公社)の頭文字をとって PATH と呼ばれている (なお英語で "path" は「軌道」の意)。路線の全長は 22.2 km で、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 (The Port Authority of New York and New Jersey) が運営している。
路線一覧
パストレイン路線図(深夜時間帯)
4つ設定された運転系統のうち、2系統が終夜運転でニュージャージーとニューヨークを結ぶ。ラッシュ時および昼間時 (平日6:00~23:00/土日祝日 9:00~19:30) は4系統、深夜・早朝時間帯 (平日23:00~6:00/土日祝日 19:30~9:00) は2系統での運転となる。
ラッシュ時および昼間時
深夜時間帯
歴史
ワールドトレードセンター仮駅 (2003年開業、2009年にはサンティアゴ・カラトラヴァ による新駅が完成する予定)
パストレインの歴史は古く、最初の営業運転は1908年 2月25日のことであった。この年、パストレインの前身であるハドソン・アンド・マンハッタン鉄道 が19丁目駅 - ホーボーケン駅 間を開通させた。この鉄道の計画立案は1874年に行われていたが、ハドソン川 を開削する技術的な問題から工事は1890年に始まった。その後も資金難等の問題があり、計画から開通までに30年以上の歳月を要することになった。
その後、1911年 までに現在の路線網(33丁目駅 - ニューアーク・ペン駅 間)を開業し、ハドソン川対岸の都市とニューヨーク間の連絡輸送の他、ジャージーシティ や、ホーボーケン を基点とするエリー鉄道 やデラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道 の通勤列車の連絡輸送で大活躍した。その最盛期は1920年代の後半で、その後は大恐慌 や自動車トンネルの整備などにより乗客が減少、コスト上昇に対して十分な運賃改訂が行えなかった事などもあり、1954年 にはハドソン・アンド・マンハッタン鉄道は債務超過状態に陥った。
利用客が減少したとはいえ、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道はハドソン川を連絡する重要な通勤路線で、債務超過を理由に廃止することはできなかった。しかしながら、この路線はニューヨーク、ニュージャージー両州にまたがる鉄道であることから、各自治体の思惑の違いにより、抜本的な対応は1962年にずれ込んだ。この年、ワールドトレードセンター 計画を進めていたニューヨーク港湾公社 (The Port of New York Authority、1930年に設立されたニューヨーク・ニュージャージー両州にまたがる港湾地域の開発を目的とした公法人、1972年に現在の名称に変更)が、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道に代わり運営を引き継いだのである。港湾公社は買収したマンハッタン のハドソン・ターミナルをワールドトレードセンターの敷地として利用し、マンハッタン南部の再開発を行った。これは再開発に伴う公共交通整備や公共交通維持・拡充のための資金確保の方法としては非常に有益なもので、利用客の大幅な増加も実現されたのである。
2001年 のアメリカ同時多発テロ事件 でターミナルの一つであるワールド・トレード・センター駅 は破壊されたが、33丁目駅 を使って仮系統のホーボーケン経由ニューアーク-33丁目線 を設定することで運行は続けられ、2003年 11月にはワールドトレードセンター 跡地に仮駅を再開することで現在に至っている。2009年 には、新ターミナルが完成した。ただし、ワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブ 全体の完成予定は2015年である。駅は長いエスカレータを降りた先にある自動改札機のさらに下にある。
切符
切符は、PATHの全駅の中にある「Blue SmartLink vending machines」というSmartLinkカードの自動販売機から購入できる(不正確な翻訳だが日本語も選べる)。
有効期限は購入後2時間以内となっている。これは24時間営業であり日付制限がなじまない(日を跨いでの乗車はむしろ当然で、終電がないので日本のように「当日の終電まで有効」という運用もできない)ためである。
ニューヨーク地下鉄やバスで使用できるメトロカード が使用できるが、片道切符と往復切符でしか使うことができない。
切符一覧表 2015年現在
種類
種類(英語)
料金
1回分の料金
備考
片道切符
1-trip SmartLink / PATH SingleRide Ticket / Pay-Per-Ride MetroCard
2.75ドル
2.75ドル
SmartLinkまたはMetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。
往復乗車券
PATH 2-trip MetroCard
5.50ドル
2.75ドル
往復乗車券。MetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。割引はない。
10回回数券
10-trip - SmartLink / SmartLink Gray
21.00ドル
2.10ドル
10回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
20回回数券
20-trip - SmartLink / SmartLink Gray
42.00ドル
2.10ドル
20回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
40回回数券
40-trip - SmartLink / SmartLink Gray
84.00ドル
2.10ドル
40回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
シニア・スマートリンクカード
Senior SmartLink Card - for riders 65 years or older
1.00ドル
1.00ドル
65歳以上限定の老人割引カード。当然ながら現地在住を証明する書類が必要。
1日乗車券
SmartLink 1-day pass-unlimited
8.25ドル
1日乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。
7日乗車券
SmartLink 7-day pass - unlimited*
29.00ドル
7日間乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。
30日乗車券
SmartLink 30-day pass - unlimited
89.00ドル
30日間乗車券。日本で言う定期券と同じようなもの。SmartLinkというカードでしか使えない。
関連項目
外部リンク
パストレイン :PATH(Port Authority Trans-Hudson)
路線 駅 インフラ その他