ネルソン・アントニオ・ペレス(Nelson Antonio Perez, 1987年11月16日 - )は、ドミニカ共和国ドゥアルテ州サン・フランシスコ・デ・マコリス出身の元プロ野球選手(外野手)。右投左打。
経歴
来日前
2007年にシカゴ・カブスと契約した後に、ルーキーリーグのアリゾナリーグ・カブスでプレー[1]。
2011年にはAA級のテネシー・スモーキーズまで昇格し、88試合に出場して8本塁打・32打点の成績を残した[1]。また、投手としても1試合にリリーフで登板したが、1/3回を1失点で敗戦投手になった[2]。
2013年・2014年にはメキシカンリーグでプレー[1]。2年通算で18本塁打を放った[3]。
独立リーグ・石川時代
2015年3月11日に、ベースボール・チャレンジ・リーグの石川ミリオンスターズに入団[4]。リーグ戦の開幕から、30試合の出場で打率.324、 24打点、7本塁打を記録した。5月には、打率.371、3本塁打、14打点という活躍で、野手部門の月間MVPを受賞している[5]。
在籍期間中には、マット・マートンとマウロ・ゴメスの両外国人野手が打撃不振に見舞われていた[2]阪神から、当時のゼネラルマネジャー (GM) 中村勝広などがペレスの視察に訪れていた[6]。ペレス自身も、NPBの球団へ移籍することを目標に挙げていた[5]。
阪神時代
2015年6月17日に阪神と契約した。背番号は95[7][8]。
2015年には、入団後の約3か月間に、ウエスタン・リーグ公式戦でチーム最多の14本塁打を記録した。ペレスの獲得直後にゴメスとマートンの両野手が揃って復調したことや、主力投手のランディ・メッセンジャーや呉昇桓が一軍でプレーを続けていたことから、外国人枠との兼ね合いで9月中旬までは二軍でプレー。打線全体の不振で一軍がセントラル・リーグの優勝争いから後退[9]したことや、呉が右足内転筋の張りを訴えて9月27日に登録を抹消されたことを受けて、翌28日に一軍昇格し、同日の対読売ジャイアンツ(巨人)戦(阪神甲子園球場)で6番・右翼手として一軍デビューした。なお、阪神はこの試合で、ペレス・ゴメス・マートンをスタメンに起用。NPBで同一球団の外国人野手3名による公式戦への同時出場が可能になった2002年以降、阪神では初めての事例であった[10]。ペレス自身は、この試合を含めて、一軍公式戦3試合に出場。いずれもスタメンに起用されたが、通算10打席で9打数無安打[11]で、レギュラーシーズン最終戦前日の10月3日に登録を抹消された[12]。一軍がシーズン3位で迎えたポストシーズンでは、巨人とのクライマックスシリーズ ファーストステージに出場しない一方で、翌2016年の残留を目標に若手選手主体のフェニックスリーグへ参加[11]。12月5日には、1年契約で残留することが球団から発表された[13]。
2016年には、自身を含めて6人の外国人選手が在籍するチーム状況の下で、春季キャンプの序盤(2月2日)から一軍に合流[14]。ウエスタン・リーグ公式戦では、69試合の出場で、打率.313、10本塁打、36打点という好成績を残したが、一軍公式戦への出場機会がないまま、シーズン終盤の9月29日にドミニカへ帰国[15]。シーズン終了後の11月15日には、翌2017年の契約を結ばないことが球団から発表された[16]。12月2日、自由契約公示された[17]。一軍公式戦での本塁打、打点ともに0だったのはだった外国人野手は、2013年のコンラッド以来2人目となる。
独立リーグ・愛媛時代
阪神退団後の2017年は、北米の独立リーグに所属した[18]。
2018年2月2日、四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツに入団することが発表された[19]。2018年シーズンは10本塁打・44打点の成績で、最多本塁打・最多打点の2冠を獲得した[20]。2019年1月28日、愛媛を退団(自由契約)したことが発表された[21]。
独立リーグ・信濃時代
2019年3月18日、信濃グランセローズと契約し、4年ぶりにベースボール・チャレンジ・リーグへ復帰した[22]。
正式な退団の告知はなされていないが、2020年3月現在の信濃のウェブサイトには選手として掲載されておらず[23]、2019年シーズンで退団したとみられる。
選手としての特徴
阪神入団当時のGMだった中村からは、「走攻守の三拍子揃った選手」との評価を受けていた[24]。守備では主に右翼手・中堅手を務めるが、一塁手としても出場したことがある[24]。ムードメーカーでもあり、石川に所属していた時は最下位に沈んでいたチームの雰囲気を明るくしようとするなど[3]チームによく溶け込み、阪神への移籍が決まりチームメイトへ最後の挨拶をした時には涙を流した。
人物
デビッド・オルティーズと自主トレを共に行う仲である。
ドミニカ共和国の先輩であるマウロ・ゴメスを目標にしている。
詳細情報
年度別打撃成績
年度別守備成績
記録
- NPB
独立リーグでの打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
打
点 |
三
振 |
四
球 |
死
球 |
犠
打 |
犠
飛 |
盗
塁 |
失
策 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2015
|
石川
|
30 |
111 |
24 |
36 |
8 |
2 |
7 |
24 |
25 |
18 |
0 |
0 |
0 |
1 |
5 |
1 |
.324 |
.419 |
.622 |
1.040
|
2018
|
愛媛
|
64 |
221 |
25 |
73 |
14 |
0 |
10 |
44 |
46 |
40 |
2 |
0 |
2 |
0 |
1 |
4 |
.330 |
.433 |
.529 |
.962
|
2019
|
信濃
|
70 |
364 |
45 |
88 |
18 |
0 |
11 |
72 |
62 |
39 |
1 |
0 |
2 |
0 |
3 |
6 |
.333 |
.418 |
.527 |
0.945
|
BCL:2年
|
100 |
375 |
69 |
124 |
26 |
2 |
18 |
96 |
87 |
57 |
1 |
0 |
2 |
1 |
8 |
7 |
.331 |
.418 |
.555 |
0.973
|
IL:1年
|
64 |
221 |
25 |
73 |
14 |
0 |
10 |
44 |
46 |
40 |
2 |
0 |
2 |
0 |
1 |
4 |
.330 |
.433 |
.529 |
.962
|
背番号
- 24(2015年 - 同年途中)
- 95(2015年途中 - 2016年)
- 99(2018年)
- 80(2019年)
登場曲
脚注
関連項目
外部リンク