260–311 °C
トリシネート (tricinate) は芳香族の爆薬で、雷管などに使用されてきた化合物である。トリニトロレゾルシン鉛、スチフェニン酸鉛 (lead styphnate) とも呼ばれる。近年では鉛による環境汚染の問題から使用されなくなっている。
単独では起爆力が弱いため通常は単独では使用せず、アジ化鉛などと混合する。単独では銃用雷管の起爆薬として用いられていたが、現在ではほとんど使用されていない。
中性塩と塩基性塩があるが、塩基性塩は爆薬としてはあまり使用されない。中性塩は通常の製法では1分子の結晶水がついたものが出来る。
静電気に極めて敏感で10μジュールの静電気でも発火する。そのため取り扱いには静電気事故防止が必須である。
トリニトロレゾルシン(en)と炭酸ナトリウムと少量の酢酸を熱湯に溶かして これに硝酸鉛の熱溶液を加えて、自然に冷やすと中性塩の結晶が析出する。