『トランスフォーマー』(Transformer)は、ルー・リードの2枚目のオリジナルアルバム。1972年にRCAレコードから発売された。
概要
デヴィッド・ボウイと、当時ボウイのバンドにいたミック・ロンソンがプロデュースを担当した。音楽評論家のマーク・デミングは、本作におけるボウイとロンソンの仕事に関して「曖昧な作風だったリードのファースト・ソロ・アルバムよりも、リードにふさわしい(そして商業的にも抜け目がない)新しい音を生み出した」と評している[3]。
本作は、リードの母国アメリカのBillboard 200において初のトップ50入りを果たし、最高29位に達した[2]。また、1973年にはリードにとって初の全英アルバムチャート入りを果たし、最高13位に達した[1]。本作からのシングル「ワイルド・サイドを歩け」は、リードのシングルとしては初めて米英のシングル・チャート入りを果たし、アメリカのBillboard Hot 100では16位[2]、イギリスでは10位に達した[1]。
2002年、本作の発売30周年記念に伴い、アコースティック・デモ2曲がボーナス・トラックとして追加収録された。
『ローリング・ストーン』誌が選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500(2020年版)では、109位にランク・インした[4]。また、『Q』誌が2006年に読者投票で決定した「偉大なアルバム100」では、96位にランク・インした[5]。
リードは後年、本作収録曲のセルフ・カヴァーや別ヴァージョンも発表している。アルバム『ザ・レイヴン』(2003年)には、アントニー・ヘガティ(英語版)がゲスト参加した「パーフェクト・デイ」が収録され、2004年には、「サテライト・オブ・ラヴ」のリミックス・ヴァージョンである「サテライト・オブ・ラヴ'04」がシングルとしてリリースされて、全英10位に達した[1]。
表ジャケットの撮影者はミック・ロック。裏ジャケットの撮影者は、ロキシー・ミュージックのファースト・アルバムのジャケットなどを手がけたカール・シュテッカー(Karl Stoecker)[6]。
収録曲
全曲とも作詞・作曲はルー・リードによる。
- Side 1
- ヴィシャス - Vicious - 2:58
- アンディの胸 - Andy's Chest - 3:21
- パーフェクト・デイ - Perfect Day - 3:47
- ハンギン・ラウンド - Hangin' Round - 3:35
- ワイルド・サイドを歩け - Walk on the Wild Side - 4:16
- Side 2
- メイキャップ - Make Up - 3:00
- サテライト・オブ・ラヴ - Satellite of Love - 3:42
- ワゴンの車輪 - Wagon Wheel - 3:20
- ニューヨーク・テレフォン・カンヴァセイション - New York Telephone Conversation - 1:34
- アイム・ソー・フリー - I'm So Free - 3:10
- グッドナイト・レイディズ - Goodnight Ladies - 4:31
2002年リマスター盤ボーナス・トラック
- ハンギン・ラウンド(アコースティック・デモ) - Hangin' Round (Acoustic Demo) - 3:58
- パーフェクト・デイ(アコースティック・デモ) - Perfect Day (Acoustic Demo) - 4:50
カバー・バージョン
参加ミュージシャン
脚注
外部リンク