ソプラノ(イタリア語: soprano)は、西洋音楽における歌手の声域区分で、女声の高い音域を指す。また、器楽においては、同系の楽器中、最も高い音域のものをいう。例えばソプラノサックス(サクソフォーン)。
概要
四声体和声、混声四部合唱では、ソプラノが最高部を受け持ち、通常は旋律を演奏する。
ソプラノは概ねC4〜E6の声域を持つ[1]。合唱や4声体和声ではC4 - A5くらいの音域である。混声4部合唱ではテノールと合わせて高声、バスと合わせて外声とよばれる。
思春期前の一部の少年(トレブル)およびカウンターテナーも、この声域を持つことがあるが(変声期前の少年の場合ボーイソプラノと呼ぶ場合もある)、ほとんどの場合は女性歌手に対して用いられる。歴史的には、女性がキリスト教会で歌うことは認められていなかったので、ソプラノの役割は若い少年、後にカストラートに与えられた。なお、去勢せずともソプラノの音域を出せる成人男性歌手をソプラニスト又はソプラニスタと呼ぶ。この手の歌手は数少ないが、日本人では岡本知高がいる。
なお、「ソプラノ歌手」という言い方が普及しているが、そもそも歌手の声域を表す言葉なので、本来は「歌手」をつける必要はない。
オペラにおけるソプラノ
オペラにおいては、声質の違いによりさらに詳細な区分が行われる。これらの区分は歌手の声域というよりむしろ声の特性、音色に関係する。詳細区分は次のようなものである。
平均的な音域は最初に書かれた通りであるが、独唱、特にオペラのアリアにおいてはそれ以上の音が求められることも多い。例えばモーツァルトの「魔笛」では、夜の女王役にF6が与えられている。ルクレツィア・アグヤーリ(英語版)やエルナ・ザック(英語版)はC7(フルートの最高音域に匹敵)まで出すことができたと伝えられている。マド・ロバン(英語版)も高い声の持ち主として知られ、残された録音ではB♭6を出しているところを確認できる。
著名なソプラノをめぐって、熱狂的なオペラファンはしばしば異なる歌手を支持して対立する複数の陣営をつくることがあった。
一例としてマリア・カラスとレナータ・テバルディのライバル関係は最も著名なものである(トスカの英語版にある小噺を参照のこと)。
ソプラノの例
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他の声域
注脚
- ^ フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド=マーリング 『うたうこと 発声器官の肉体的特質』 須永義雄・大熊文子訳 音楽之友社、2000年、ISBN 4-276-14252-0 111頁による。但し、あくまで一つの目安であり、後述されるようにこれを上回る例もある。
関連項目