『スーパースターシリーズ戦 平尾昌晃杯』(スーパースターシリーズせん ひらおまさあきはい)とは、オートレースのSG競走の1つである『スーパースター王座決定戦』の開催される節『スーパースターフェスタ』にて開催されているGII格の競走である。
現在の優勝賞金は170万円[1][注 1]。
2001年から2012年までは『トップスターカップ』、2013年は『スーパースターフェスタ戦』、2014年から2017年までは『スーパースターシリーズ戦』という名称で開催され、2010年まではGI格の扱いだった。本稿では、同じくスーパースターフェスタ内で開催されていた『ヤングスターカップ』についても記載する。
沿革
スーパースター王座決定戦は毎年川口オートレース場で開催されている(ただし第5回大会は伊勢崎オートレース場で、第24回大会は船橋オートレース場で開催された)が、その開催節自体は一般開催と同様の扱いであった。そこで、2001年の競走制度改革の際に新たな企画競走としてトップスターカップとヤングスターカップが新設された。トップスターカップの出場選手は、スーパースター王座決定戦のトライアル戦への出場権利が無く、なおかつ全国競走成績上位の選手が選出される。ヤングスターカップに関しては、デビュー10年未満の選手が選出される。
かつてはヤングスターカップの優勝戦を開催4日目に行い、その優勝選手が翌日のトップスターカップの優勝戦に進出するという規定があったが、2006年に廃止され、ヤングスター・トップスター・王座決定戦は全て最終日に行われる事となった。これにより、ヤングスターカップは第9レースに、トップスターカップは第10レースに行われ、第11レースにはトライアルに漏れた選手による「スーパースター順位決定戦」が行われるという体系になった。因みに、トップスターカップがGI格の競走であるのに対し、ヤングスターカップはGII格の競走ではなく、獲得タイトルにも記載されない。
2007年からヤングスターカップが廃止され、トップスターカップに一本化された。ただ、2007年のスーパースターフェスタ初日にはヤングスターカップの面影を残す「ヤングスターセレクション」という選抜競走が行われた。
トップスターカップは2012年をもって廃止され、2013年は『スーパースターフェスタ戦』[2]、2014年から2017年まで『スーパースターシリーズ戦』[3]という競走名で行われていた。
2018年からは、生前、「ぶっちぎりの青春」やファンファーレの作曲及び、年間表彰選手の選考委員などの活動で長年に渡りオートレース界に貢献し、2017年7月に逝去した平尾昌晃の功績を讃え、『スーパースターシリーズ戦 平尾昌晃杯』として実施されることになった[4][5] 。
2019年より『スーパースターガールズ王座決定戦』が新設され、スーパースターフェスタ初日の第10レースに実施されることになった。ガールズ王座決定戦はスーパースターシリーズ戦の中に組まれた競走で、出場した女子選手はそのままスーパースターシリーズ戦に出場する。
勝ち上がり
※こちらを参照
初日・2日目・3日目 |
4日目 |
最終日
|
SSシリーズ予選(1R~10R)[注 2] 予選3日間平均得点上位 32名がSSシリーズ準決勝戦へ |
SSシリーズ準決勝戦(7R~10R) 各レース1着・2着の8名がSSシリーズ優勝戦へ |
SSシリーズ優勝戦(11R)
|
歴代優勝者
トップスターカップ
回数 |
開催日 |
開催場 |
優勝者 |
年齢(当時) |
競走タイム |
競走車呼名 |
競走車車名
|
1 |
2001年(平成13年)1月31日 |
川口オートレース場 |
岩田行雄 |
45 |
3.328 |
ミステリアス |
セア
|
2 |
2002年(平成14年)1月30日 |
川口オートレース場 |
木村武之 |
25 |
3.302 |
クロム |
セア
|
3 |
2003年(平成15年)1月27日 |
川口オートレース場 |
福田茂 |
53 |
3.568 |
エナジー |
セア
|
4 |
2004年(平成16年)2月3日 |
川口オートレース場 |
梅内幹雄 |
39 |
3.400 |
アイバーソン |
セア
|
5 |
2004年(平成16年)12月26日 |
川口オートレース場 |
岩田行雄 |
48 |
3.389 |
ミステリアス |
セア
|
6 |
2005年(平成17年)12月25日 |
川口オートレース場 |
浦田信輔 |
32 |
3.360 |
パンジャA |
セア
|
7 |
2006年(平成18年)12月24日 |
川口オートレース場 |
高橋貢 |
36 |
3.334 |
Fニーナ |
セア
|
8 |
2007年(平成19年)12月24日 |
川口オートレース場 |
松尾啓史 |
29 |
3.332 |
ラディカルV |
セア
|
9 |
2008年(平成20年)12月31日 |
川口オートレース場 |
久門徹 |
32 |
3.371 |
ロロノア・ゾロ |
セア
|
10 |
2009年(平成21年)12月31日 |
船橋オートレース場 |
前田淳 |
33 |
3.349 |
メスカリート |
セア
|
11 |
2010年(平成22年)12月31日 |
川口オートレース場 |
浅香潤 |
37 |
3.351 |
キミツナギ |
セア
|
12 |
2011年(平成23年)12月31日 |
川口オートレース場 |
平田雅崇 |
31 |
3.358 |
マーライオン |
セア
|
13 |
2012年(平成24年)12月31日 |
川口オートレース場 |
岡部聡 |
47 |
3.363 |
フラッグシップ |
セア
|
スーパースターフェスタ戦
回数 |
開催日 |
開催場 |
優勝者 |
年齢(当時) |
競走タイム |
競走車呼名 |
競走車車名
|
1 |
2013年(平成25年)12月31日 |
川口オートレース場 |
岩崎亮一 |
37 |
3.385 |
FGビゼン |
セア
|
スーパースターシリーズ戦
回数 |
開催日 |
開催場 |
優勝者 |
年齢(当時) |
競走タイム |
競走車呼名 |
競走車車名
|
1 |
2014年(平成26年)12月31日 |
川口オートレース場 |
緒方浩一 |
29 |
3.390 |
U・ボルト |
セア
|
2 |
2015年(平成27年)12月31日 |
川口オートレース場 |
益春菜 |
29 |
3.385 |
モトロマン |
セア
|
3 |
2016年(平成28年)12月31日 |
川口オートレース場 |
伊藤信夫 |
44 |
3.358 |
プロドライブ |
セア
|
4 |
2017年(平成29年)12月31日 |
川口オートレース場 |
森且行 |
43 |
3.564 |
メジャイ23 |
セア
|
スーパースターシリーズ戦 平尾昌晃杯
回数 |
開催日 |
開催場 |
優勝者 |
年齢(当時) |
競走タイム |
競走車呼名 |
競走車車名
|
1 |
2018年(平成30年)12月31日 |
川口オートレース場 |
佐藤摩弥 |
26 |
3.339 |
Pタン |
セア
|
2 |
2019年(令和元年)12月31日 |
川口オートレース場 |
重富大輔 |
40 |
3.375 |
テンヤシャ |
セア
|
3 |
2020年(令和2年)12月31日 |
川口オートレース場 |
重富大輔(2) |
41 |
3.350 |
テンヤシャ |
セア
|
4 |
2021年(令和3年)12月31日 |
川口オートレース場 |
松尾啓史 |
43 |
3.354 |
ラディカルV |
セア
|
5 |
2022年(令和4年)12月31日 |
川口オートレース場 |
黒川京介 |
24 |
3.353 |
ペルセウス2 |
セア
|
6 |
2023年(令和5年)12月31日 |
川口オートレース場 |
佐藤励 |
23 |
3.438 |
シロウWV |
セア
|
過去のヤングスターカップ優勝者
回 |
開催日 |
優勝者 |
年齢 (当時) |
競走タイム |
競走車呼名 |
競走車車種
|
1 |
2001年(平成13年)1月30日 |
岩崎亮一 |
24 |
3.332 |
セイン |
セア
|
2 |
2002年(平成14年)1月29日 |
淺香潤 |
29 |
3.313 |
K・グエル |
セア
|
3 |
2003年(平成15年)1月26日 |
岩沼靖郎 |
27 |
3.363 |
キャスバル |
セア
|
4 |
2004年(平成16年)2月2日 |
山田達也 |
20 |
3.635 |
マッシュ |
セア(2級車)
|
5 |
2004年(平成16年)12月26日 |
浅田真吾 |
25 |
3.370 |
ランドシャーク |
セア
|
6 |
2005年(平成17年)12月25日 |
武藤博臣 |
22 |
3.388 |
イシュザーク |
セア
|
7 |
2006年(平成18年)12月24日 |
筒井健太 |
25 |
3.365 |
トラタイガー |
セア
|
エピソード
- 第5回トップスターカップを優勝した岩田行雄は、この優勝により通算100Vを達成した。
- 第6回ヤングスターカップを優勝した武藤博臣は、優勝戦においてのフライングにより失権した。それに伴い、2着入線の山際真介(26期、川口オートレース場所属)が繰り上がりでトップスターカップへ進出した。
- 2015年の「スーパースターシリーズ戦」を優勝した益春菜は、正式にグレードこそついていないものの「GII格競走」として位置づけられている競走として、女子選手史上初の優勝を果たした[6]。
- 2018年の「スーパースターシリーズ戦 平尾昌晃杯」を優勝した佐藤摩弥は、この優勝をもって通算優勝回数を「5」とし、益春菜と並んでいた女子選手最多優勝記録(当時4回)を更新した[7]。
脚注
注釈
- ^ 過去の優勝賞金は、600万円(2001年 - 2006年)、450万円(2007年 - 2010年)、210万円(2011年)、200万円(2012年 - 2015年)、150万円(2016年 - 2018年)、160万円(2019年 - 2021年)。
- ^ 初日の第10Rは、スーパースターガールズ王座決定戦が行われる
出典
- ^ “【スーパースターシリーズ】黒川京介が接戦を制して大会初V”. サンケイスポーツ (産経新聞社). (2022年12月31日). https://www.sanspo.com/race/article/general/20221231-4FED3HTVRREEBJT34APOSVBLVU/ 2022年12月31日閲覧。
- ^ “SG第28回スーパースター王座決定戦(川口)5日目写真をアップしました!”. オートレースオフィシャル (2013年12月31日). 2019年1月8日閲覧。
- ^ “SG第29回スーパースター王座決定戦(川口)5日目写真をアップしました!”. オートレースオフィシャル (2014年12月31日). 2019年1月8日閲覧。
- ^ “スーパースターフェスタを「平尾昌晃杯」として開催”. 日刊スポーツ (2018年12月19日). 2019年8月28日閲覧。
- ^ “【オート】川口で27日からスーパースター王座決定戦 31日は畑中葉子がライブ”. デイリースポーツ (2018年12月19日). 2019年1月8日閲覧。
- ^ “益春菜がトップスタート逃げ切りシリーズ戦V”. オートレースオフィシャル (2015年12月31日). 2019年1月8日閲覧。
- ^ “佐藤摩弥選手(31期・川口)が 女子最多優勝記録更新!通算5回目の優勝を飾りました”. オートレースオフィシャル (2018年12月31日). 2019年1月8日閲覧。
関連項目