「ジョイン・トゥゲザー」(Join Together)は、イギリスのロック・バンド、ザ・フーが1972年にシングルとして発表した楽曲。スタジオ・アルバムには未収録となった。また、1990年にはライヴ・ヴァージョンがシングルとして発売されている。
背景
ピート・タウンゼントは1971年より『ライフハウス』というロック・オペラの構想を練っており、本作は『ライフハウス』のための新曲として作られた[5]。タウンゼントが2000年に発売した6枚組CDボックス・セット『Lifehouse Chronicles』には、本作のデモ・ヴァージョンも収録されている[6]。レコーディングではジュース・ハープ、ハーモニカ、シンセサイザーといった楽器が導入され、ボーカリストのロジャー・ダルトリーは後に『アンカット』誌のインタビューで「シングルにぴったりの、良いエナジーがある曲だと思った。でも当時の僕は、まだシンセサイザーの導入には疑問があったね。僕達はたくさんの曲で、こういう些末な単音のノイズを作るのに時間をかけてきたけど、ギターだけでやった方が良いんじゃないかって思っていた」とコメントしている[7]。
B面曲「ベイビー・ドント・ユー・ドゥ・イット」はマーヴィン・ゲイの歌唱で知られる曲のカヴァーで、シングルには1971年12月のライヴ音源が収録され[5]、スタジオ録音のヴァージョンは、アルバム『フーズ・ネクスト』(1971年)のリマスターCDにボーナス・トラックとして追加された。
ミュージックビデオ
この曲のプロモーションビデオが、1972年6月25日、ウェンブリーにあるロンドン・ウィークエンド・テレビジョン・スタジオにで撮影された。監督は、ローリング・ストーンズ主催の『ロックンロール・サーカス』や、ビートルズの『レット・イット・ビー』で有名なマイケル・リンゼイ=ホッグ。撮影にはザ・フーのファンクラブ会員が観客役として参加している[8]。
映像の後半から、メンバーが観客の中に進んでいくシーンがあるが(キース・ムーンもドラムセットごと観客の中になだれ込んでいく)、これはタウンゼントがこの曲の歌詞にもこめていた「バンドと観客が一つになって共存する」というイメージを具現化したものである[9]。このプロモーションビデオは、1972年7月13日にBBCの『トップ・オブ・ザ・ポップス』で放映された[8]。
反響
全英シングルチャートでは9位に達し、バンドにとって11作目の全英トップ10シングルとなった[2]。アメリカのBillboard Hot 100では17位を記録し、同チャートで自身5度目のトップ20入りを果たしている[4]。
1990年にヴァージン・レコードから発売されたライヴ・アルバム『ジョイン・トゥゲザー』のヴァージョンは、同年にアナログ盤シングル(VS 1259)[10]及びCDシングル(VSCDT 1259)としてもリリースされ[11]、1990年3月31日付の全英シングルチャートで100位を記録した[2]。
カヴァー
- スウィート - カヴァー・アルバム『New York Connection』(2012年)に収録[12]。
脚注