ジェイソン・モロニー

ジェイソン・モロニー
基本情報
通称 Mayhem (騒乱)
階級 バンタム級
身長 165cm
リーチ 170cm
国籍 オーストラリアの旗 オーストラリア
誕生日 (1991-01-10) 1991年1月10日(33歳)
出身地 ビクトリア州ミッチャム
家族 アンドリュー・モロニー(弟)
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 30
勝ち 27
KO勝ち 19
敗け 3
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ジェイソン・モロニーJason Moloney [məˈloʊni]1991年1月10日 - )は、オーストラリアプロボクサービクトリア州ミッチャム出身。元WBO世界バンタム級王者。双子の弟は元WBA世界スーパーフライ級王者のアンドリュー・モロニー

来歴

アマチュア時代

アマチュア時代、オーストラリア代表として双子の弟アンドリューと共に2010年コモンウェルスゲームズの男子フライ級に出場[1]、準々決勝で敗退した[2]

プロ時代

2014年8月にプロ転向し[3]、デビュー戦を勝利で飾り、以後17連勝(14KO)を重ねた。17勝目は、2018年5月19日に元WBAスーパーフライ級王者の河野公平を6回終了後ドクターストップによるTKOで下したものである[4]。河野はこの敗戦を最後に引退した[5]

IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲスの指名挑戦者という形で、2018年秋から開催されるWorld Boxing Super Series(WBSS)バンタム級トーナメントへの参戦が決定し[6][7]、同年10月20日、ロドリゲスとのWBSS1回戦がオーランドCFE・アリーナで行われ、12回1-2(115-113×2、113-115)の判定負けを喫し初黒星となった[8][9]

2020年10月31日、ラスベガスMGMグランド内ザ・バブルでWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥と対戦し、2度のダウンを奪われ[10]、7回2分59秒KO負けを喫し王座獲得に失敗した[11]

2021年8月14日、オクラホマ州タルサハードロックホテル・アンド・カジノで弟アンドリューの前座でジョシュア・グリアとWBCバンタム級シルバー王座決定戦を行い、10回3-0(98-92×2、96-94)の判定勝ちを収め王座を獲得した[12][13]

2022年6月5日、オーストラリアメルボルンマーベル・スタジアムで行われたジョージ・カンボソス・ジュニア 対 デヴィン・ヘイニー戦興行のセミメインにおいて、アストン・パリクテとWBCシルバー・バンタム級タイトルマッチ及びWBOインターナショナルバンタム級王座決定戦を行い、2回2分35秒TKO勝ちを収め、WBCシルバー王座の初防衛及びWBOインターナショナル王座を獲得した[14]

2022年10月15日、メルボルンのロッド・レーバー・アリーナで行われたデヴィン・ヘイニージョージ・カンボソス・ジュニア2の前座において、WBC世界バンタム級1位のナワーポン・ソー・ルンヴィサイとWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を行い、12回3-0(118-110×2、119-109)の判定勝ちを収め、WBC王座を保持する井上尚弥への挑戦権を獲得した[15]。11月6日、WBCのマウリシオ・スレイマン会長はメキシコ・アカプルコで行われた総会で、井上尚弥がスーパーバンタム級に転級し王座返上した場合のシナリオに言及[16]。「その場合王座は空位となり、モロニーとノニト・ドネアの2人が王座決定戦を行うことになる」と明言した[16]

2023年3月29日、4団体統一王者の井上尚弥がスーパーバンタム級転向のため4王座を全て返上したことに伴い、5月13日にWBO世界バンタム級1位のモロニーと2位のビンセント・アストロラビオで王座決定戦が行われると、主催のトップランクから発表された。前述のドネアとの王座決定戦は交渉の末締結には至らなかったものの、WBCと共に1位にランクされていたWBOの方でチャンスを得る形となり、一方のアストロラビオも指名挑戦者となっていたIBFではなくWBOの方に照準を定めた[17]

世界王座獲得

2023年5月13日、カリフォルニア州のストックトン・アリーナにてジャニベク・アリムハヌリvsスティーブン・バトラーの前座で、WBO2位ビンセント・アストロラビオとWBO世界バンタム級王座決定戦を行い、12回2-0(114-114、115-113、116-112)の判定勝ちを収め、世界王座獲得に成功した[18]。この試合でモロニーは5万ドル(約700万円)、アストロラビオは8万5千ドル(約1200万円)のファイトマネーを稼いだ[19]

2024年1月13日、ケベック州ケベック・シティービデオトロン・センターアルツール・ベテルビエフカラム・スミスの前座のWBO世界バンタム級タイトルマッチでWBO世界バンタム級10位のサウル・サンチェスと対戦し、12回2-0(116-112×2、114-114)の判定勝ちを収め初防衛に成功した。

2024年5月6日、日本のリングに初登場。東京ドーム井上尚弥 対 ルイス・ネリ戦の前座のWBO世界バンタム級タイトルマッチでWBO世界バンタム級10位の武居由樹と対戦し、12回0-3(111-116×2、110-117)の判定負けを喫し王座から陥落した。

戦績

  • プロボクシング:30戦 27勝 (19KO) 3敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2014年8月15日 1R 2:50 TKO ナオタワン・シッサイトーン タイ王国の旗 タイ プロデビュー戦
2 2014年10月17日 1R 1:58 TKO エギー・ロゼン インドネシアの旗 インドネシア
3 2015年3月6日 3R 1:17 TKO アルビン・バイス フィリピンの旗 フィリピン
4 2015年8月19日 5R 2:14 TKO ダニロ・アビサイ フィリピンの旗 フィリピン
5 2015年12月18日 5R 終了 TKO マークイル・サルバーナ フィリピンの旗 フィリピン WBAオセアニアスーパーバンタム級王座決定戦
6 2016年3月19日 4R 1:18 TKO ジュニア・バジャワ インドネシアの旗 インドネシア WBAオセアニア防衛1
7 2016年5月20日 5R 2:55 TKO マティアス・アリアガダ アルゼンチンの旗 アルゼンチン
8 2016年6月24日 3R KO バーデン・リベラ フィリピンの旗 フィリピン
9 2016年8月3日 6R 判定3-0 ジェフリー・フランシスコ フィリピンの旗 フィリピン
10 2016年10月8日 7R 2:05 TKO ゲルポール・バレロ フィリピンの旗 フィリピン WBAオセアニア防衛2
11 2016年12月10日 6R 0:21 TKO エンリケ・ベルナチェ メキシコの旗 メキシコ WBAオセアニア防衛3
12 2017年2月3日 8R 判定3-0 マルコ・デメシリオ フィリピンの旗 フィリピン
13 2017年6月3日 5R 0:53 TKO エマヌエル・アルメンダリス メキシコの旗 メキシコ WBAオセアニア防衛4
14 2017年8月19日 10R 判定3-0 ロリト・ソンソナ フィリピンの旗 フィリピン OPBFスーパーバンタム級シルバー王座決定戦
WBAオセアニア防衛5
15 2017年10月21日 1R 2:58 KO ジュリアス・キサラウェ タンザニアの旗 タンザニア WBAオセアニアバンタム級王座決定戦
16 2018年2月24日 3R 終了 TKO イマヌエル・ナイジャラ ナミビアの旗 ナミビア コモンウェルスバンタム級王座決定戦
WBAオセアニア防衛1
17 2018年5月19日 6R 終了 TKO 河野公平(ワタナベ) 日本の旗 日本 WBAオセアニア防衛2
18 2018年10月20日 12R 判定1-2 エマヌエル・ロドリゲス プエルトリコの旗 プエルトリコ IBF世界バンタム級タイトルマッチ / WBSS1回戦
19 2019年3月30日 3R 2:23 KO クリス・ポリーノ フィリピンの旗 フィリピン WBAオセアニア防衛3
20 2019年6月15日 3R 2:23 KO グッドラック・レマ タンザニアの旗 タンザニア WBAオセアニア防衛4
21 2019年11月15日 2R 1:26 KO ディクソン・フローレス ニカラグアの旗 ニカラグア WBAオセアニア防衛5
22 2020年6月25日 7R 終了 TKO レオナルド・バエス メキシコの旗 メキシコ
23 2020年10月31日 7R 2:59 KO 井上尚弥(大橋) 日本の旗 日本 WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ
24 2021年8月14日 10R 判定3-0 ジョシュア・グリア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBC世界バンタム級シルバー王座決定戦
25 2022年4月9日 10R 判定3-0 フランシスコ・ペドロサ・ポルティージョ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
26 2022年6月5日 2R 2:35 TKO アストン・パリクテ フィリピンの旗 フィリピン WBOインターナショナルバンタム級王座決定戦
WBCシルバー防衛1
27 2022年10月15日 12R 判定3-0 ナワーポン・ソー・ルンヴィサイ タイ王国の旗 タイ WBC世界バンタム級挑戦者決定戦
28 2023年5月13日 12R 判定2-0 ビンセント・アストロラビオ フィリピンの旗 フィリピン WBO世界バンタム級王座決定戦
29 2024年1月13日 12R 判定2-0 サウル・サンチェス英語版 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBO防衛1
30 2024年5月6日 12R 判定0-3 武居由樹(大橋) 日本の旗 日本 WBO陥落
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獲得タイトル

  • WBAオセアニアスーパーバンタム級王座
  • OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級シルバー王座
  • WBAオセアニアバンタム級王座
  • WBC世界バンタム級シルバー王座
  • WBOインターナショナルバンタム級王座
  • WBO世界バンタム級王座(防衛1)

脚注

  1. ^ Twins Andrew and Jason Moloney selected in Commonwealth Games boxing team
  2. ^ Boxing 52kg - Men Delhi 2010
  3. ^ Jason Moloney shines on debut, Ibrahim Balla tested over six
  4. ^ 河野公平が豪でTKO負け 中川麦茶は比で勝利”. Boxing News(ボクシングニュース) (2018年5月20日). 2021年8月14日閲覧。
  5. ^ 元世界王者の河野公平が引退常に全力ファイト男が「燃え尽きた」【動画あり】”. Boxing News(ボクシングニュース) (2018年11月22日). 2021年8月14日閲覧。
  6. ^ モロニーがロドリゲス挑戦 WBSSバンタム準々決勝”. Boxing News(ボクシングニュース) (2018年7月2日). 2021年8月14日閲覧。
  7. ^ Moloney ready to ‘shock the world’ and compete for IBF World Title and Ali Trophy”. World Boxing Super Series (2018年7月1日). 2021年8月14日閲覧。
  8. ^ ロドリゲス勝利 井上とリング上でフェイスオフ! Boxing News(ボクシングニュース) 2018年10月21日
  9. ^ 井上尚弥の相手はIBF王者ロドリゲスに決定 モロニーに辛勝、WBSS準決で無敗対決へ THE ANSWER 2018年10月21日
  10. ^ 井上尚弥「左ジャブ」から見る完勝の理由 マイク・タイソンに通じる「強打だけじゃない」強さとは”. J-CAST ニュース (2020年11月2日). 2020年11月4日閲覧。
  11. ^ “統一王者井上尚弥7回KOで防衛成功/世界戦詳細”. 日刊スポーツ. (2020年11月1日). https://www.nikkansports.com/m/battle/news/202011010000083_m.html 2020年11月1日閲覧。 
  12. ^ Jason Moloney Beats Joshua Greer By Unanimous Decision, Bounces Back From Inoue Loss”. BoxingScene.com. 2021年8月15日閲覧。
  13. ^ フランコがWBA・S・フライ級王座防衛 モロニー弟との第3戦制す”. Boxing News(ボクシングニュース) (2021年8月15日). 2021年8月15日閲覧。
  14. ^ 【ボクシング】マロニーが豪快TKO勝利!井上尚弥に敗れた”ショートの右”で倒す eFight 2022年6月6日
  15. ^ ライト級4団体統一王者ヘイニーがカンボソスを返り討ち モロニーがWBCバンタム級挑戦権獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2022年10月16日
  16. ^ a b 井上尚弥、WBC会長が示した転級→王座返上後の流れにドネア反応「大変感謝する」”. THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュース・コラム. 株式会社Creative2 (2022年11月9日). 2022年11月9日閲覧。
  17. ^ 井上尚弥に倒されたモロニー兄 & 村田諒太に敗れたバトラー 5.13カリフォルニアでWBO世界戦”. Boxing News(ボクシングニュース) (2023年3月30日). 2023年5月15日閲覧。
  18. ^ モロニー兄 3度目の正直でWBOバンタム級王座獲得 アストロラビオに2-0判定勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2023年5月14日
  19. ^ Notebook: Prograis believes new deal will include Matias unification”. Dan Rafael (2023年5月13日). 2023年6月21日閲覧。

関連項目

外部リンク

空位
前タイトル保持者
井上尚弥
WBO世界バンタム級王者

2023年5月13日 - 2024年5月6日

次王者
武居由樹