サウンズ・オブ・ブラックネス
サウンズ・オブ・ブラックネス(Sounds of Blackness)は、1969年に結成された、ゴスペルを基調とするアメリカのアーバン・コンテンポラリー・アンサンブル・グループ。日本ではSOBと略される向きがあるが、英語ではあまり好ましくない言葉の略[1]と同じとなるため、本人たちは「Sounds」と略す。 1991年に人気の音楽プロデューサー・ユニット、ジャム&ルイスによりアルバム・デビュー。代表曲は「Optimistic」「Hold On Change Is Coming」など。 日本ではゴスペル愛好家の間で知られるクインシー・ジョーンズ版の「Hallelujah!」のレコーディング・アーティストでもある。 発表する多くのアルバムで、その内容は半数以上が宗教歌以外(非ゴスペル)の楽曲で、自らはゴスペル・グループとは名乗っていない[2]。ジャズ、ブルース、ロックンロール、黒人霊歌、レゲエ、ゴスペルなど、黒人音楽をすべて扱うグループであり、「Sounds Of Blackness(黒人のサウンド)」という名前こそが自分たちのカテゴリーであるとする。 来歴1969年にラッセル・ナイトンによりミネソタ州セントポールのマカレスター大学にて結成。当初はマカレスター・カレッジ・ブラック・ヴォイセスと名乗っていた。1971年にディレクターのゲイリー・ハインズがアンサンブルの統制をとり「サウンズ・オブ・ブラックネス」と公式的に名を改めた。シンガーに加え、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、2〜3名のキーボード、2〜3名のブラスセクションのフルバンドを含み、当初は40人を超す大所帯グループで、リード・ボーカルは長らくアン・ネズビーであった。人気を得るにつれ、いくつかのレーベルから契約の話が持ち上がったが、様々な理由により長らくレコード・デビューすることはなかった。「大所帯のグループであったり、ショウの形態や内容からレコード化が無理であったのだろう」と、後にデビューする際にハインズが語っている。[3] また、初期にはSounds Of Blackness という名称が幾つかのレコード会社から嫌われ、「Sounds Of Music」に改名しないかと提案されたことさえあったとも、ハインズはバイオグラフィーの中に記している。[4][5] ジャネット・ジャクソンなどを手がける大物プロデューサー・ユニットのジャム&ルイスと1980年代半ばに関わりを持った。彼等は1991年にA&Mの配給の元、パースペクティヴ・レコードを創設。このレーベルより結成から20年を経てようやくデビュー・アルバムThe Evolution of Gospelを発表することができた。同アルバムは、グラミー賞の「最優秀ゴスペルクワイアーアルバム部門」を受賞の快挙となる。 1992年、クインシー・ジョーンズが黒人のトップ・アーティストを集めて制作した一大アルバムプロジェクト、Handel's Messiah: A Soulful Celebration に参加。アルバム中の1曲は、制作のすべてがゲイリー・ハインズとサウンズ・オブ・ブラックネスに委ねられた。このアルバムものちにグラミー賞を受賞する、 この頃から、スティーヴィー・ワンダー(アルバム『カンバセーション・ピース』)、プリンス(アルバム『バットマン』)などトップ・アーティストの作品でもゴスペル・スタイルのバック・コーラスを務めてゆくことになる。 その後も順調にアルバムを発表していくが、リード・ボーカルのアンが1996年春にソロ・アルバム・デビューをし、同年の夏のツアー後にこのグループから抜けた[3]。ミネソタから離れて住むことになったアンとは、その後も折に触れてフィーチャリング・ボーカリストとしての共演、という関係を続けている[6]。 パートナーだったジャム&ルイスは、1999年にパースペクティヴをA&Mに売却し、レーベル閉鎖してしまう。彼等は新たにレーベルを立ち上げることとなる。 以後はマイナー・レーベルや自主レーベルよりアルバムを発表している。 2011年に発表したセルフタイトルのアルバム「The Sounds Of Blackness」で、アメリカ黒人音楽界の最高栄誉の一つ、NAACPイメージ・アワードのワールドミュージック部門を受賞[7]。なお、様々な国からのアーティストをフィーチャーした同アルバムのレコーディングには、日本のグループ、Dreamers Union Choir が参加している。 2016年にドナルド・トランプが大統領選に当選した際には、ヒット曲「Optimistic(どんな時でも楽観的に行こう)」をテーマにした、Optimistic Callenge のキャンペーンを展開。多くのシンガーやダンサーが呼応して動画を投稿した。 2018年にはビルボードライブにて、7年ぶりの来日公演を行った。 ディスコグラフィスタジオ・アルバム
コンピレーション・アルバム
脚注
外部リンクInformation related to サウンズ・オブ・ブラックネス |