キリスト教にまつわる伝説として、ナザレのイエスの叔父であるアリマタヤのヨセフが錫貿易の旅に幼いイエスを同行させ、この地を訪れた。イエスの死後、ヨセフがアヴァロン島を再訪したところ、地面に置いた荷物が根を生やし「聖なるいばらの冠 (The Holy Thorn)」になったという[1]。また、イギリスの聖杯伝説のひとつでは、ヨセフが持ち込んだ聖杯はヨセフの死と伴にグラストンベリーにほど近いチャリスヒルに葬られたといわれる。ヨセフはグラストンベリー・トーの麓にイギリス初の礼拝堂を建てたとも言われ[1]、後にグラストンベリー修道院へと成長し多くの巡礼者を集めた。グラストンベリー修道院はヘンリー8世の修道院解散によって閉鎖されるが、抵抗した修道士によって聖杯や聖遺物などがグラストンベリー・トーの地下洞窟に隠されたという伝説もある[1]。