1939年9月1日にドイツのポーランド侵攻が起きると、同年9月3日にフランスはドイツに対してイギリスと共同で宣戦布告し、第二次世界大戦が始まった。しかし、ドイツの報復を恐れるあまりに活発な海上戦闘とは裏腹にドイツ領土への攻撃には消極的であり、フランス軍はフランス・ベルギー国境周辺でとどまったため、「奇妙な戦争(drôle de guerre)」(まやかし戦争のフランス語名)と呼ばれた[注 1]。この間、冬戦争が起き、ソビエト連邦を追放する国際連盟の決議をフランスは主導してフィンランドに武器を援助し[3]、議会でも仏ソ相互援助条約を反故して対ソ宣戦と派兵を求める声が高まった。ポーランド侵攻が起きた際に設置された英仏最高戦争評議会(英語版)で英仏は軍事戦略を調整し、ダラディエはドイツに石油を供給するソ連領のコーカサス地方への爆撃を提案するもソ連への宣戦布告を嫌ったイギリスから拒否されたため[4]、英仏はフィンランド支援と国際連盟の決議を口実にスウェーデンの鉄鉱山やノルウェーの港を占領することでドイツへの鉄鉱石供給を停止する計画で一致した[5][6]。しかし、フィンランドは義勇軍を歓迎しつつ正規軍の受け入れを謝絶し[3]、スウェーデンとノルウェーもドイツとソ連を敵に回すことを恐れて英仏軍の領内通過を拒否した[7]。
^Trotter, William R. (2002) [1991]. The Winter War: The Russo–Finnish War of 1939–40 (5th ed.). New York (Great Britain: London): Workman Publishing Company (Great Britain: Aurum Press). ISBN 1-85410-881-6. pp. 235–236
^Trotter, William R. (2002) [1991]. The Winter War: The Russo–Finnish War of 1939–40 (5th ed.). Aurum Press. ISBN 1-85410-881-6. pp. 237–238
^Edwards, Robert (2006). White Death: Russia's War on Finland 1939–40. London: Weidenfeld & Nicolson. ISBN 978-0-297-84630-7. p. 145