ウォレント (Warrant) は、アメリカ合衆国出身のグラム・メタル・バンド[1]。
1980年代に隆盛したLAメタル・ムーブメントの末期にメジャーデビュー。当初から数百万枚以上のセールスを記録するなど早々に開花し、人気を博した。その後、紆余曲折を経ながらも、古き良きアメリカンロックを続けている。
1984年にギタリストのエリック・ターナーを中心に結成された。結成後程なくして、ベーシストのジェリー・ディクソンがバンドに参加し、Plain Janeで活動していたシンガーのジェイニー・レイン(英語: Jani Lane)の引き抜きを経てデビュー時のラインナップが完成する。
バンドはロサンゼルスで活動を続け、各方面との交渉で最終的に「コロムビア・レコード」と契約。1989年にデビュー・アルバム『マネー・ゲーム』を発表する。その後、バンドはポール・スタンレーや「クイーンズライク」「ポイズン」「キングダム・カム」などとツアーを行った。やがてこのアルバムからのバラード「ヘヴン」が全米2位[2]の大ヒットとなり、アルバムも200万枚[3]を売り上げる大成功を収めた。
一躍人気バンドとなった彼らは、続く1990年にセカンド・アルバム『いけないチェリーパイ』を発表。200万枚を売り上げ、全米7位に送りこんだ。またバンドは再びポイズンとのツアーを行う。
やがてグランジが台頭すると、1980年代に活躍した他の多くのLAメタル・バンド同様に、彼らも旧世代のバンドというレッテルを貼られ、人気が低迷してしまう。彼ら自身の音楽性も、1992年のサード・アルバム『ドッグ・イート・ドッグ』(全米で50万枚の売り上げ[3])以降はグランジに接近したものへと変化していったが、時代の逆風に打ち勝つことはできず、かつてのような成功を収めることはできなかった。
2004年、ジェイニー・レインが脱退すると、デビュー当時のメンバーで、長らくバンドを離れていたスティーヴン・スウィートとジョーイ・アレンがバンドに出戻り、シンガーを除いたデビュー当時のラインナップが再び集結した。バンドは元「ブラック・アンド・ブルー」のジェイミー・セント・ジェイムズをシンガーに迎え、2006年にディクソン、ターナー、ジェイムズの3人を中心に製作され、LAメタル然としたデビュー当時の音楽性を復活させたアルバム『ボーン・アゲイン』を発表した。
2008年、ジェイニー・レインが再びバンドに復帰し、十数年ぶりとなるオリジナル・ラインナップでの活動を再開したものの、ライブでのパフォーマンスの悪さを理由にバンドはジェイニーを早々に解雇。代わりに元「リンチ・モブ」のロバート・メイソンが加入した。
そのジェイニー・レインは2011年8月、ホテルで遺体となって発見された[4]。
2017年、6年ぶりのアルバム『ラウダー・ハーダー・ファスター』をリリース。
※それぞれのチャート最高位はビルボードを参照[2]。
1990年9月4日に、東京の汐留にかつて存在したライブハウス「パックスシアター・サイカ」にてライブを行ったものの、オールスタンディング席だった会場の観客が将棋倒しになる事故が発生。ライブは中断された。
その後、1991年に「Cherry Pie Tour」として、また1994年にも来日している。1994年のライブでは、ドラムのジェイムズ・コタックがライブ途中で足を負傷し、ジェイニーがドラムを叩きジェイムズがザ・クラッシュの「Should I Stay or Should I Go?」を歌うという一幕もあった。
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