イヴ・モンタン(Yves Montand、1921年10月13日 - 1991年11月9日)は、イタリア出身でフランスで活躍した俳優・シャンソン歌手。本名:イーヴォ・リーヴィ(Ivo Livi)。イヴ・モンタンという芸名は、子供の頃、戸外にいたモンタンを母親が階上から「イーヴォ、モンタ!」(Ivo, monta!, イーヴォ、上がってきなさい!)と呼んでいたことにちなむという。
来歴
モンタンは、農民の子としてモンスンマーノ・テルメで生まれた。母は敬虔なカトリック教徒であったが、父が強固な共産主義支持者であったため、当時台頭してきたムッソリーニのファシスト政権を嫌い、1923年に家族でフランスに移住した。マルセイユで育ち、港で働いたり、姉の経営する美容室で働くなどしていたが、次第にミュージック・ホールで歌うようになる。1944年にエディット・ピアフに見出され、ピアフはモンタンにとって助言者また愛人となり、2人の関係は数年の間続いた。
1945年に映画デビュー。1946年に出演した『夜の門』で、主題歌の「枯葉」を歌ってヒットさせた。
1951年に女優のシモーヌ・シニョレと結婚。2人はいくつかの作品で共演している。夫婦でフランス共産党の活動に参加していた。1957年には妻のシニョレ同伴で東側諸国全てでコンサート・ツアーを行った。
1961年に米映画『青い目の蝶々さん』撮影の為に来日している。1月11日にパンナム機で羽田に到着したのち鎌倉、奈良、京都、などに約2ヶ月間にわたって滞在した。
1982年、ワールドツアーのために2度目の来日。NHKのインタビューを受け“なぜ政治に関心が?”と問われた際に「ははは! 全ての出来事は政治的ですよ!」と笑って返している。
モンタンの浮気がスキャンダルになったことが何度もあったが、マリリン・モンロー(『恋をしましょう』(1960年)で共演)の時は、シニョレが自殺未遂を起こしている。しかし、1985年に彼女が亡くなるまで一緒だった。モンタンはその後1987年、そのアシスタントだった38歳年下のキャロル・アミエルと結婚、1988年に唯一の実子ヴァランタンをもうけた。
モンタンは1991年11月9日に『IP5/愛を探す旅人たち』の撮影直後、心臓発作で倒れ息を引き取った。
主な出演作品
公開年 |
邦題 原題 |
役名 |
備考
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1946 |
光なき星 Étoile sans lumière |
ピエール |
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枯葉 ~夜の門~ Les Portes de la nuit |
ジャン・ディエゴ |
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1950 |
失われた想い出 Souvenirs perdus |
ラウル |
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1951 |
雪の夜の旅人 L'auberge rouge |
歌う解説者 |
クレジットなし
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1953 |
恐怖の報酬 Le Salaire de la peur |
マリオ |
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1954 |
ナポレオン Napoléon |
Le maréchal Lefebvre |
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1955 |
悪の決算 Les héros sont fatigués |
ミシェル |
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夜のマルグリット Marguerite de la nuit |
レオン |
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1956 |
人間と狼 Uomini e lupi |
リクッチョ |
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1957 |
サレムの魔女 Les Sorcières de Salem |
ジョン・プロクター |
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青い大きな海 La grande strada azzurra |
ジョヴァンニ |
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1958 |
すずらん祭 Premier mai |
ジャン |
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1959 |
掟 La legge |
マッテオ |
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1960 |
恋をしましょう Let's Make Love |
ジャン=マルク・クレマン/アレクサンドル・デュマス |
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1961 |
サンクチュアリ Sanctuary |
キャンディ・マン |
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さよならをもう一度 Goodbye Again |
ロジェ・デマレ |
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1962 |
青い目の蝶々さん My Geisha |
ポール・ルーベ |
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1965 |
七人目に賭ける男 Compartiment tueurs |
グラジアニ警部 |
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1966 |
戦争は終った La guerre est finie |
ディエゴ・モラ |
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パリは燃えているか Paris brûle-t-il? |
マルセル |
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グラン・プリ Grand Prix |
ジャン=ピエール |
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1967 |
イヴ・モンタンの深夜列車 Un soir, un train |
マティアス |
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パリのめぐり逢い Vivre pour vivre |
ロベール・コロンブ |
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1968 |
ミスター・フリーダム Mr. Freedom |
フォーミダブル |
クレジットなし
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1969 |
悪党 Le diable par la queue |
Le baron César Maricorne |
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Z Z |
Z |
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告白 L'Aveu |
ジェラール |
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1970 |
晴れた日に永遠が見える On a Clear Day You Can See Forever |
マルク・シャボー |
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仁義 Le Cercle rouge |
ジャンセン |
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1971 |
大乱戦 La Folie des grandeurs |
ブラーズ |
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1972 |
万事快調 Tout va bien |
ジャック |
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夕なぎ César et Rosalie |
セザール |
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戒厳令 État de siège |
フィリップ・マイケル・サントール |
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1974 |
潮騒 Le Hasard et la violence |
ローラン・ベルマン |
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友情 Vincent, François, Paul... et les autres |
Vincent |
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1975 |
うず潮 Le Sauvage |
マルタン |
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1976 |
真夜中の刑事/PYTHON357 Police Python 357 |
マルク・フェロー |
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赤ちゃんは紳士がお好き? Le grand escogriffe |
モーランド |
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1977 |
メナース La Menace' |
アンリ・サヴァン |
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1982 |
炎のごとく Tout feu, tout flamme |
Victor Valance |
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1983 |
ギャルソン! Garçon! |
アレックス |
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1986 |
愛と宿命の泉 PART1/フロレット家のジャン Jean de Florette |
セザール |
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愛と宿命の泉 PART2/泉のマノン Manon des sources |
セザール |
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1988 |
想い出のマルセイユ Trois places pour le 26 |
イヴ・モンタン |
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1992 |
IP5/愛を探す旅人たち IP5: L'île aux pachydermes |
レオン・マルセル |
遺作
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日本のテレビ番組出演
日本語文献
- イヴ・モンタン『頭にいっぱい太陽を』渡辺淳訳、講談社、1982年
- リシャール・カナヴォ/アンリ・キクレ 『イヴ・モンタン ある男の歌』長塚隆二訳、早川書房、1982年
- 鈴木明『イヴ・モンタン 20世紀の華麗な幻影』毎日新聞社、1993年
- エルヴェ・アモン/パトリック・ロトマン『イヴ・モンタン ぼくの時代 花開くまで』各・土屋進訳、文藝春秋、1995-1996年
- 『イヴ・モンタン ぼくの時代 パリに抱かれて』。本人への取材による伝記
外部リンク
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