楽人たちは空想的な楽器を奏でており、登場人物たちはオリエンタルな衣装をまっている。ピエロ・ディ・コジモはレオナルド・ダ・ヴィンチが考案した技法スフマートを用い、さらにおそらく北方のフランドル派に触発されて、背景のディティールを詳しく描くことに力を注いでいる[4]。ヴァザーリは画家が「これ以上美しいものや優れたものを描いたことがない」と語ったことを伝えている[2]。画面右端には同じくウフィツィ美術館に所蔵されている、ピエロ・ディ・コジモの『無原罪の御宿りと聖人たち』(Immaculate Conception with Saints)の聖ペテロによく似た、ひげを伸ばした老人が描かれている。この人物はおそらく画家の自画像と考えられている[2]。
来歴
絵画は最初にロレンツォ・ストロッツィからコジモ・デ・メディチの廷臣で秘密侍従のスフォルツァ・アルメーニ(イタリア語版)に贈られた。その後メディチ家のコレクションに加わり、1589年にはウフィッツィ宮殿の最も重要なコレクションが展示されたトリブーナに飾られていた[1][2]。当時の目録にはレオナルド・ダ・ヴィンチの作として記載されている[2]。以前はペルセウス神話の他のエピソードを描いた3つの絵画もウフィツィ宮殿にあったが、現在はダヴァンツァーティ宮殿(英語版)で展示されている。これらの作品はかつては画家本人に帰属していたが、現在は画家の追随者マエストロ・ディ・セルミド(Maestro di Serumido)の作とされている[2]。