中国の自動車メーカー・アルファバス(ALFA BUS)については「江蘇常隆客車 」をご覧ください。
アルファバス (Alphabus)は、大型の静止軌道 通信衛星 用の衛星バス である。
アルファバスは、フランスのタレス・アレーニア・スペース [ 1] とアストリウム・サテライト が、フランス国立宇宙研究センター と欧州宇宙機関 の支援を得て共同開発した。
アルファバスのプラットフォームは、ペイロードへ供給する電力が12-18 kWとなる通信衛星を対象に設計されている。アルファバスを利用した衛星は、打上げ時の質量が6から8トンであり、タレス・アレーニア・スペース社の最も強力な衛星バスであるスペースバス 4000 (Spacebus 4000)の5.9トンより35%大きくなり[ 2] 、同様にアストリウム社(現在にAirbus Defence and Space社)のEUROSTAR 3000バスよりも大きくなる。
様々なミッションを最適に実行するため、このプラットフォームに基づく衛星には、電気推進装置や供給電力の強化(太陽電池アレイ、ラジエータの増強)等、いくつかのオプションを付けることができる。またこのプラットフォームには、最大190個の高出力トランスポンダと、大きなアンテナを取り付けることができ、またより規模を拡大する余地を持つ(最大で出力22kW、打上げ時質量9トン(ペイロードへの割り当て質量を仕様値の1,200kgから最大1,400kgまで増強)への対応が可能)[ 3] 。
人工衛星
2013年にル・ブルジェの航空ショーで展示された実物の1/10のモックアップ
欧州の2つの大きな人工衛星業者による新しい人工衛星の開発は、既存の衛星バスであるスペースバスとユーロスター からの教訓を考慮に入れて行われた。
スペースバスの設計に似た中央の円柱(人工衛星の脊柱)に、カーボンやアルミニウムのパネル(2800mm×2490mm)が付加した構造。
推力500Nのアポジエンジンと10Nのスラスタ 16基からなる化学推進。最大4200kgの2液式推進剤タンク2基と150Lのヘリウム タンク2基。
PPS-1350 スラスタと最大350kgのキセノン を搭載する電気推進。
100Vと50Vの制御バス、4枚から6枚パネルのヒ化ガリウム 太陽電池及びリチウムイオン二次電池 モジュールによる発電、配電システム。
ジャイロ 、恒星・太陽センサ及びリアクションホイールによる姿勢制御 。
1553バスを利用したペイロードのデータ処理。
アルファサット(インマルサット4A F4)
インマルサット は、アストリウム・サテライトとの間で、このプラットフォームを最初に使う契約を結んだ[ 4] 。この衛星は、アルファサット(インマルサット4A F4)と名付けられ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東で、新しい世代のモバイル通信を支えるBroadband Global Area Network (BGAN)を提供した。アルファサットは、一部、欧州宇宙機関とイギリスの地域開発公社からの資金を受けていた[ 5] 。
アルファバスの初めての移動
新しいアルファバスの最初のサービスモジュールは、2010年1月末にフランスのカンヌ からトゥールーズ まで初めての移動を行った。3日間の移動は、衛星を運ぶ長さ20mの大型トラックと何台かの護衛車と、都市部の道路を封鎖するための警察車からなる車列で行われた[ 6] 。
打上げ
アルファサット(インマルサット4A F4)は、2013年7月25日にフランス領ギアナ から打ち上げられ[ 7] 、8月初旬までには静止軌道に達し、太陽電池アレイと主反射鏡の展開に成功した[ 8] 。
出典
外部リンク