しろんご祭り(しろんごまつり)は、三重県鳥羽市の菅島で受け継がれている海女の伝統行事。毎年7月11日[1]直近の土曜日にアワビのつがいを神前に奉納して海上の安全と大漁を祈願する。
概要
古くは龍神「白ノ宮」(現在は菅島神社[2]に合祀)の祭儀としてシロノゴさんと呼ばれた[3]。
神域として一年を通じて禁漁区に指定されている白浜(通称「しろんご浜」)前の海を祭の当日に限って解禁し、島の海女たちに漁を許可する。法螺貝の音色の合図で白い磯着姿の海女たちが一斉に海に潜ってアワビの初獲りを競い合う。この間、沖では色鮮やかな大漁旗をなびかせた漁船団がパレードを行って祭りに華を添える。最初に雌雄つがい[4]のアワビ(=まねき鮑)を獲った海女がその年の海女頭となり、次の祭までの一年間島で尊敬を集める。まねき鮑は白浜背後の丘上に鎮座する白鬚神社(菅島神社の境外社)に奉納され、一年の豊漁および海での無事安全が祈願される。
約一時間の潜水中に獲られたアワビ、サザエなどは漁協によって買い取られ、それぞれ重量に応じた報酬が海女に支払われる。当日、浜ではアワビ、サザエの直売や名物サザエごはんの販売のほか、海鮮鍋のふるまいなどがあり、島内外からの観光客で賑わう。
指定、選定、賞歴は次の通り。
(参考)以下は、いずれもしろんご祭りにて見聞できる。
交通
脚注
- ^ かつては旧暦の6月11日
- ^ 菅島神社 - 神社の紹介(三重県神社庁教化委員会)
- ^ 田辺悟『海女: ものと人間の文化史 73』法政大学出版局、1993年、117頁。
- ^ 生物学的な雌雄ではなく、儀礼的にメガイアワビを雌貝、クロアワビを雄貝とする。メガイの数は他のアワビと比較して極端に少ないため採取に時間がかかる(田辺悟『海女: ものと人間の文化史 73』法政大学出版局、1993年、122、123頁)。
- ^ 1971年(昭和46年)8月18日登録。
- ^ 2014年(平成26年)1月23日登録。
参考文献
- 須藤功『写真ものがたり 昭和の暮らし8』農山漁村文化協会、2006年。