SiCortex

SiCortexは、2003年に設立されたマサチューセッツ州Maynard英語版を拠点とするスーパーコンピュータ製造会社だった。2009年5月27日にHPCwireは廃業して大半の従業員は解雇され、その資産は買い手が購入したと報告された[1]The Register誌はGerbsman PartnersがSiCortexの知的財産を売るために雇われたと報告した[2] 。これまでSiCortexは75台のスーパーコンピュータを複数の大企業に販売したものの、ベンチャーキャピタルからの資金が受けられず運営に行き詰った。新たな出資者は見つけられなかった。

同社はKautz graph英語版に接続する12から972の計算ノードを有するクラスターのシリーズを製造、販売した。クラスターはSC5832、SC648 と SC072だった。2009年3月以降の次世代のクラスターを開発中だったが開発が行き詰まり、営業を停止したと報告された。

SC5832はキャビネットに収まるハイエンドモデルだった。972ノード、5,832 コアと972 から7,776 GB のメモリーを備えた。直径-6 Kautz graph を2,916 リンクのために使用した。 SC648 は中位帯の機種で標準的な19インチのラックに収納された。それぞれのラックは2台のシステムを収容できたと見られる。それらは108 ノードと108 から 864 GB のメモリーを備えた。直径-4 Kautz graph を 324 リンクのために使用した。 SC072 はソフトウェアを開発する為のデスクトップモデルだった。

それぞれのノードはsystem-on-chip (SoC)でコードネームはICE9,[3] で6個のコアで構成され、MIPS64 命令セット (ISA)を実装した。それぞれのコアは32 KB 命令キャッシュと 32 KBのデータキャッシュを備えた。6個のコアはそれぞれ他のコアからアクセス可能な独自の256 KB L2 キャッシュを備えた。MIPSのコアは排他的な命令を実行するための6段階のパイプラインを備えた。それらは1サイクル毎に2命令を実行してピーク時には倍精度(64-bit) 性能は500 MHzで1 GFLOPSだった。これは後にSoCの製造プロセスを90 nmにした事でクロック周波数を700 MHzに高めた事により1.4 GFLOPSに増えた。SoCは2個のDDR2メモリー制御装置を備え、それぞれ1個のDIMMを制御する。それぞれのノードが 1から8 GBのメモリーを備える。SoCは同様に 8x PCI Express 制御装置を備える。クラスターはDMAエンジンで切り替えられる。それぞれのクラスターは2GB/sの最大帯域幅で接続される。

MPIを経由するメッセージパッシングは、推定プログラミングモデルだった。SiCortexシステムはGentoo Linuxを基に開発された専用のLinuxを実行した。

機種

型式 # ノード数 コード名 備考
SC5832 972 Blizzard 36 ブレード
SC1458 243 Hail 9 ブレード
SC648 108 Snow 4 ブレード
SC162 27 Sleet シングルブレード
SC072 "Catapult" 12 Flurry 応用ソフト開発用の標準的なワークステーション
SC24 4 Frost 診断ボード英語版

出典

外部リンク