1937年、クルップでは「Ausf. A」10両を製造した。シャシーは「L 2 H 143」、クルップ・プロッツェと呼ばれていた製品で、6輪4軸駆動のトラックだった。この車輌は4気筒空冷フラット配置のガソリンエンジンを搭載し、排気量は3.5リットルだった。クルップM305と呼ばれるこのエンジンは65馬力を発揮し、車輌を最高70km/hで走らせ、航続距離は350kmだった[1]。このシャシーを用いた他の全ての車輌と同様、「Ausf. A」は非常に限定的な不整地走行能力しか持っておらず、操縦手は路上や踏み固められた轍から出ないように助言された。車輌の自重は5.2tである。全長は5.2m、全幅は1.96m、全高は1.7mだった[3]。
Ausf. B
ダイムラー・ベンツでは1941年から1942年にかけ、4輪駆動の重統制型シャーシ、「s.Pkw. Typ 1c」をベースに58両を製造した。このシャーシは重統制型乗用車 ホルヒ108 typ 1a、1bの簡易型であるtyp 40に用いられたものと基本的に同じもので、ステアリングは前輪のみで、シャーシ中央部の接地防止を兼ねた予備輪はなかった。前方に搭載されたエンジンは8気筒、排気量3.823リットルのホルヒ3.5ガソリンエンジンだった。このエンジンは路上で80km/hの速度を達成した。本車の航続距離は400kmである[1]。
Chamberlain, Peter; Doyle, Hilary L. (1978 (1993)). Encyclopedia of German Tanks of World War Two: A Complete Illustrated Directory of German Battle Tanks, Armoured Cars, Self-propelled Guns, and Semi-tracked Vehicles, 1933--1945. Jentz, Thomas L. (Revised ed.). London: Arms and Armour Press. ISBN1-85409-214-6
Jentz, Thomas L. (2001). Panzerspaehwagen: Armored Cars Sd.Kfz.3 to Sd.Kfz.263. Panzer Tracts. No. 13. Boyds, MD: Panzer Tracts. ISBN0-9708407-4-8